看護師のおせっかい

看護師のおせっかい

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また、「看護師が患者さんの出番を取り上げてしまうこともよくある」と、梅田さんは言う。
たとえば、家族が見舞いに来てくれないことを患者さんが悲しんでいたとする。そのことに気づいて、患者さんの話を聞き、患者さん自身が家族に「来てほしい」と伝えられるように力づけることは、梅田さんが考える「良い看護」だ。しかし、「看護師が家族を説得して呼んでくるというのは、行き過ぎではないか」と、梅田さん。

あるいは、病院を退院する高齢の独居の患者さんに対して、本人は「それでいい」と言っているのに、「一人では帰せないから」と、無理矢理遠くに住む兄弟の連絡先を聞いて、連絡する。その結果、患者さんが仲が悪くて連絡を取っていなかった相手の世話になってしまうことも。

看護師のおせっかい

「『最期に家族と交流が持てました』というのは、わかりやすく綺麗なストーリーかもしれません。でも、ややこしい生き方をしている人もいっぱいいて、最期の最期にそれまでの生き方を覆されるのが必ずしもいいことなのか……。仲が悪くて距離を取っていたならそのままでいい場合もある。看護師のおせっかいが、患者さんから自由や選択を奪っていることもあります」

最後まで納得のいく治療を選び、治療を受けながらも患者さんが自分の人生を歩めるようにするには、最初の段階から治療の主導権を患者さんに渡すことが大事という。
梅田さんは、治療のスタート時にかかわった患者さんには、必ずこう伝える。「どんな治療を受けるか、あるいは受けないかを決める権利はあなたにあるんですよ」、と。
たとえ、初期のがんであっても、高齢だったり、他の病気を持っていたりすれば、治療のリスクも高まる。そのため「積極的な治療は受けずに好きなことをして過ごしたい」と考える患者さんもいるという。痛みを取る治療でその希望を叶えてあげるのも、大事な医療・看護だ。ただし、経済的な問題や家族の事情で治療に二の足を踏んでいるようなら、代わりに決めたり、早く決めるようせかすのではなく、患者さんの状況を聞き、解決方法を一緒に考える。「そこを煙に巻いてスタートしないことがとても大事なんです」。


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