治療前よりキレイになれる

治療前よりキレイになれる

治療前よりキレイになれる


山崎さんが乳がんと診断されたのは、44歳のとき。美容ジャーナリストとして忙しく働いているなか、10年以上ぶりに受けた婦人科の女性健診で見つかった。超早期で100%近く完治するけれど、病巣が広いため、乳房温存は難しい――。それが医者の見立てだった。
診断された時は、頭が真っ白になり、これからのことを思うと涙が流れた。
「でも、確かにがんは人生の大ピンチだけれど、よくよく考えると今は『2人に1人ががんになる』と言われている。私だけの特別なピンチではない、普通のことなんだ。そう思って、だったら明るくいこうと思ったんです」
そこから、山崎さんの「治すならキレイに」が始まった。

「まずは、胸をとるなら、キレイに取り戻したいと思いました」と山崎さん。「この人はおしゃれに人一倍気を配る人なんだ」と医師に思ってもらうため、入院前に、おしゃれなショートカットにして、まつ毛パーマもかけた。「医師に『きれいに縫ってくださいね!』ってさんざん言ったら、『大丈夫。皆さんと同じように綺麗に縫いますから』って言われました(笑)」。

次に、キレイの力を意識したのは、抗がん剤治療が始まってからだ。
治療のゴールだと思っていた手術が無事に終わり、順調に回復してきた頃、病理検査で浸潤箇所が多数見つかり、抗がん剤治療とホルモン療法を勧められた。悩んだ末に受けた抗がん剤治療は、趣味のバレーボールを「ぼちぼちと」なら続けることもでき、体力を大きく奪うわけではなかったが、それでも髪の毛が抜け、眉毛とまつ毛が抜け、肌もくすみ…と、顔の変化は免れなかった。
「眉毛もまつ毛も抜けて、肌も黒くなると、性別も年代もよくわからなくなるんです。『私は何者なんだろう?』と自分でも不思議に思えました」

治療前よりキレイになれる
イラスト/Asami Kanaya

 そこで取り出したのが、メイク道具。肌のくすみを色つきの下地で隠し、眉を描き、まつ毛が抜けて弱々しく見える目にアイラインを引き、明るいチークを入れ、リップで唇に艶を出す。ほんの10分程度のメイクだったが、ウィッグをかぶり化粧をして仕事に出かけると、病気のことを知らない仕事仲間が、「あれ? やまちゃん、最近キレイになった?」。その一言が、山崎さんにとってとても大きな自信になった。


Source URL: https://prod1.novartis.com/jp-ja/you-can-cleaner-than-before-treatment

List of links present in page
  1. https://prod1.novartis.com/jp-ja/jp-ja/you-can-cleaner-than-before-treatment
  2. https://prod1.novartis.com/jp-ja/jp-ja/node/14151/printable/print
  3. https://prod1.novartis.com/jp-ja/jp-ja/node/14151/printable/pdf