おしゃれは心と生活を立て直す道具

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「治療中は自分のことで必死だったけれど、今振り返ると、私が元気に見えることで、周りの人も安心していたように思います。疲れた顔をしていると、周りがすごく心配して、声をかけづらかったり、話しかけても気遣うような言葉ばかりだったり。でも私がメイクをしてキレイにしていると、『元気そうじゃん』って安心する。元気に見えることはご家族や周囲の方のためにもなるかもしれませんね」

「化ける」「粧う(よそおう)」と書く化粧は、"社会的行為"と言われることがある。よそおうことで、外に出て人と関わる自信を取り戻す、周りに安心感を与える、社会生活を営める――。そんな効果に、社会も医療界も次第に気づき始めているという。

「以前は『がん患者さんに美容って?そんなことよりまず命でしょ』という風潮があったと思います。今はがん患者が長く生きられるようになりましたが、治療も長く、治療後の生活も長い。"命が助かったらOK"ではなく、治療をしながら社会生活も続けるのが普通になって、医療者も、患者のプライベートのQOLに目を向けるようになってきました」
特に女性にとって、外見が自分のアイデンティティに与える影響は大きい。メイクののりが悪かったり、顔がむくんでいると気分が晴れないということは、健康な人にだってよくあること。自分の外見に自信がないと、明るく前向きにはなりにくい。それは、病気との向き合い方、治療に対する姿勢にも影響を与える。
「メイクをすると、今度はファッションにも気を遣うようになる。そして外見が変わると、医師とのコミュニケーションもちゃんととるようになって、治療にも積極的になれるみたいです。『おしゃれをする人は長い治療を途中で中断することなく、きちんと続ける傾向があるね』と、私の主治医の先生がおっしゃっていました」

おしゃれは心と生活を立て直す道具

もちろん、がん患者さん全員が、外見の問題が大きなストレスになるわけではないだろう。でも、もしも、心が落ち込む理由の一つになっているのだとしたら、「よそおい方」を知っていることは、悩みを一つ減らしてくれる。
「心を立て直すってすごく難しいもの。でも、外見に自信がもてると、嬉しくて、ひょこんと心が上を向くことってあるんです。少なくとも私の場合はそうでした。そして脱毛中、『装う力』は社会の目から自分を守る鎧でもありました」 


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