― 信頼回復に向けた当社のコミットメント ―
ノバルティス ファーマ株式会社は、2013年-2015年に発生した複数の事案により、患者様、医療関係者の皆様、ならびに社会の皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。
当社はこれらの事案を厳粛に受け止め、再発防止と信頼回復に向けた取り組みを継続的に実施しております。
再発防止に向けた継続的なガバナンスの強化
主な取り組み:
- 社内外の情報提供活動における適正性を確保するため、第三者の視点を取り入れた審査監督委員会の適切な運営
- 部門横断的な専門知識を結集し、複雑かつ高リスクな業務に対して迅速かつ適切な意思決定を支援する社内ガバナンス体制を構築
さらに、これらの事案の背景にある組織文化や価値観の課題を重く受け止め、再発防止にとどまらず、より持続可能で倫理的な企業運営を実現するため、継続的な全社員研修を通じて、企業文化の醸成に取り組んでおります。
主な取り組み:
- 「患者中心主義」の再定義と浸透
- コンプライアンスの強化とインテグリティの推進
- 社内から声が上がるための、心理的安全性のある職場づくり
- リーダーシップの責任強化
医師主導臨床研究に関連した一連の事案(2013年~)
背景
ディオバン関連臨床研究に関する事案
2013年 当社元社員が身分を明かさず複数の大学で実施された臨床研究に関与
2021年 元従業員、ノバルティス ファーマ株式会社に対して無罪判決
副作用報告遅延に関する行政処分
2014年 当社が収集した副作用情報3,264件について、法令で定められた期間内に報告がなされていなかったことが判明
2015年 厚生労働省より医薬品医療機器法に基づく業務停止命令を受ける
2015年 当社の副作用報告システムの障害により、副作用情報5,629件について、法令で定められた期間内に報告がなされていなかったことが判明
2015年 厚生労働省より医薬品医療機器法に基づく業務改善命令を受ける
当社の対応策
当社の元社員が身分を明かさずに複数の大学で実施された臨床研究に関与していたことが明らかとなり、研究の中立性と信頼性に重大な疑義が生じました。この事案は、医療研究の透明性と倫理性に対する社会的信頼を大きく損なうものであり、当社はその責任を重く受け止めております。
医師主導臨床研究事案への対応
- 臨床研究支援に関する社内規定の全面的見直し
- 営業部門と研究支援部門の明確な分離
- 外部有識者を含むコンプライアンス・アドバイザリーボードの設置
- 関係社員への厳正な処分と、全社員を対象とした再発防止教育の実施
副作用報告遅延への対応
- 副作用報告体制の再構築と手順書の整備
- 障害発生時の代替手段の確保と応援要員の教育訓練
- 経営層を含めた情報共有と意思決定体制の強化
- 定期的な内部監査と継続的な改善活動の実施
今後に向けて
信頼の回復は一朝一夕に成し遂げられるものではありません。上記事案で得た教訓を風化させることなく、継続的かつ組織的な取り組みを通じて、社会からの信頼を一つひとつ着実に取り戻してまいります。
ノバルティス ファーマ株式会社は、医薬品を通じて人々の健康と生活の質の向上に貢献するという使命のもと、透明性と倫理性を基盤とした企業活動を徹底し、今後も継続的に全社一丸となって信頼回復に取り組んでまいります。
以上