ノバルティスでは、患者さんとの効果的かつ積極的な交流の促進への取り組みを「患者エンゲージメント(Patient Engagement)*1」と定義しています。

医薬品の基礎研究、開発、製造、販売等の各過程で、患者さんから得られた情報や助言、提案を参考にしています。この取り組みにより、患者さんの視点を踏まえた検討や行動を実現でき、患者さんのニーズと製薬企業のニーズの両方を満たす活動につなげることができます。

<医薬品開発での患者エンゲージメント>

患者さんの声は、よりよい医薬品を開発するうえで、重要な役割を果たします。医薬品開発への患者さんの参画は、患者さんにとってより有意義な医薬品が開発されること、医薬品を必要としている患者さんにいち早く新たな治療法をお届けすることにつながります。ノバルティスで実施している医薬品開発(治験*2、市販後調査*3)では、様々な患者エンゲージメント活動に積極的に取り組んでいます。以下に取り組みの一例をご紹介いたします。

患者アドバイザリーボード



 

患者アドバイザリーボードとは、特定のトピックについて患者さんの視点からご意見をいただくために、患者さんや患者さんのご家族をアドバイザーとしてお招きして開催する会合です。

ノバルティスでは、治験のデザインや計画、患者さんが治験および市販後調査に参加される際にお読みいただく説明文書などにアドバイスをいただき、患者さんが参加しやすい治験の実施や、患者さんにわかりやすい説明同意文書の作成につなげる取り組みを行っています。

参加した治験に関するアンケート

ノバルティスでは、患者さんが治験に参加した時の感想を収集するために、治験開始時、治験参加中、治験終了時に、治験に参加した患者さんにアンケート調査にご協力いただいています。患者さんの治験経験に基づいたアンケート結果は、患者さんの負担の軽減や治験の実施手順の改善など、これから開始する治験に活かされています。

治験結果の要約

ノバルティスでは2013年に米国研究製薬工業協会と欧州製薬団体連合会が共同宣言した「責任ある臨床試験データ共有の原則」に則り、治験に参加された患者さんへ「治験結果の要約」をお渡ししています。この取り組みは、患者さんと治験の結果を共有するだけではなく、治験に参加いただいたことにより、医学や医療のために貴重な貢献をされたことに対する感謝をお伝えすることも目的の一つとして実施しています。

治験結果の要約は、ノバルティス臨床試験結果データベース(www.novctrd.com)でも公開しております。

治験に参加された患者さんご自身の治験結果の要約

ノバルティスでは、治験結果の要約とともに、「患者さんご自身の治験結果の要約」を治験に参加いただいた患者さんご本人にお届けしています。この取り組みは、ご自身の治験結果を受け取った患者さんやそのご家族が今後の治療を考えることをサポートし、さらには治験終了後に主治医との有意義な話し合いをもつきっかけになると考えています。

サンキューレター

ノバルティスでは、治験参加に対して感謝を伝えること、また、「治験結果の要約」が試験終了後に提供されることを事前に患者さんにお知らせすることを目的として、治験開始時または終了時、もしくはその両方にサンキューレターをお渡ししています。

私たちの患者さんへの想いが伝わりやすいように、国や医療機関ごとに、デザインやメッセージを工夫して作成しています。

(注釈)

*1 患者エンゲージメント(Patient Engagement):広義 には患者の声を活かした医薬品開発(Patient Centricity)、医学研究・臨床試験における患者・市民参画(Patient and Public Involvement:PPI)と同義です。

*2 治験:国(厚生労働省)から新しい医薬品等の承認を得るために、健康な人や患者さんの協力を得て行われる臨床試験のことをいいます。

*3 市販後調査:医薬品等が市販される前に行われた治験では得られなかった安全性および有効性の情報等を収集するために、通常の診療下でその薬剤を使用した場合の安全性および有効性を確認する調査の総称のことをいいます。