Apr 24, 2024

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:レオ・リー、以下「ノバルティス ファーマ」)は、2024年3月、人道的見地から実施される治験(拡大治験)制度*を利用し、未承認薬**の使用を希望する前立腺特異的膜抗原(PSMA)陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者さんを対象とした拡大治験の治験計画届を提出したことをお知らせします。

この拡大治験は、1種類以上の新規抗アンドロゲン経路標的薬による治療歴があり,なおかつ2種類のタキサン系薬剤による治療歴がある(あるいは1種類のタキサン系薬剤による治療歴があるが2種類目のタキサン系薬剤による治療が適応とならない)mCRPC男性患者さんを対象としています。これらの患者さんには、現在日本において効果的な治療法がないため高いメディカルニーズが存在し、新たな治療法の開発が望まれています。実際に、日本人のmCRPC患者さんがPSMAを標的とした放射線リガンド療法を受けるために海外渡航する事例も報告されています

本拡大治験は、ノバルティス ファーマ株式会社及びEckert & Ziegler Radiopharma GmbH社が治験実施者で、2024年3月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届を提出しました。拡大治験を実施することにより、本拡大治験の組み入れ基準に合致するPSMA陽性のmCRPC患者さんは、未承認薬の投与を受けることができます。なお、本拡大治験の実施施設は、人道的見地から実施される治験(拡大治験)制度に則り、主たる治験を実施している医療機関に限定されます。

本治験の詳細は、以下の外部サイトからご覧いただけます。
臨床研究等提出・公開システム(jRCT):臨床研究等提出・公開システム(jRCT)


人道的見地から実施される治験(拡大治験)制度

生命に重大な影響がある疾患であって、既存の治療法に有効なものが存在しない疾患の治療のため、治験の参加基準に満たない患者さんに対して人道的見地から未承認薬等を提供する制度です(平成28年1月22日付薬生審査発0122第7号、平成28年7月21日付薬生機審発0721第1号)。拡大治験の対象となる医薬品は未承認薬等であることから、未承認薬の使用によるリスクと期待される治療上のベネフィットのバランスを図るため、国内開発の最終段階である治験(主たる治験***)の組入れ終了後に、治験の枠組みのもとで治験薬として提供されます。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く革新的医薬品のグローバル製薬企業、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実した健やかな毎日のために、「医薬の未来を描く(Reimagining Medicine)」ことを追求しています。
詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp
ノバルティス ファーマ株式会社のソーシャルメディアもご覧ください。 Facebook LinkedIn Youtube

以上

* 人道的見地から実施される治験(拡大治験)制度:人道的見地から実施される治験について | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)
** 未承認薬:海外(主に米国や欧州)では承認されているものの、日本では医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づく薬事承認が取得されていない医薬品のことをいいます。
*** 主たる治験:通常、効能・効果及び用法・用量が一連の開発を通じて設定された後に実施される有効性及び安全性の検証を目的とした治験や、当該治験の結果をまとめた後、その結果をもって承認申請を予定している治験であり、これを「主たる治験」と呼びます。

参考文献

  1. 絹谷清剛 Theranostics:世界から学び日本が進むべき方向性. 臨床放射線 Vol.64 No.13 2019

 

ノバルティス、PSMA陽性転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の治療アクセスの改善を目指す拡大治験の治験計画届を提出(PDF 648KB)