プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2025年4月29日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照ください。
- 売上高は15%増(実質ベース1、米ドルベース 12%増)、コア営業利益1は27%増(実質ベース、米ドルベース 23%増)
- 売上高の伸びは、エンレスト(実質ベース 22%増)、Kisqali(実質ベース 56%増)、ケシンプタ(実質ベース 43%増)、コセンティクス(実質ベース 18%増)、レクビオ(実質ベース 72%増)、セムブリックス(実質ベース 76%増)の好調継続に牽引される
- コア売上高営業利益率1は、主に売上高の伸びが寄与し、4.0ポイント増(実質ベース)の42.1%
- 営業利益は44%増(実質ベース、米ドルベース 38%増)、純利益は37%増(実質ベース、米ドルベース 34%増)
- コアEPS1は、31%増(実質ベース、米ドルベース 27%増)の2.28米ドル
- フリーキャッシュフロー1は34億米ドル(米ドルベース 66%増)となり、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与
- 研究開発における主なマイルストーン:
- Pluvictoのタキサン系化学療法未使用の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)適応が、米国食品医薬品局(FDA)に承認される
- Vanrafia(astrasentan)のIgA腎症適応が、FDAに迅速承認される
- ファビハルタ(イプタコパン)のC3腎症(C3G)適応が、FDA、欧州委員会(EC)、中国国家薬品監督管理局(NMPA)に承認される
- Remibrutinibの慢性特発性蕁麻疹(CSU)適応を世界各国で申請し、米国では優先審査バウチャーを使用
- OAV101 IT 脊髄性筋萎縮症(SMA)患者を対象とした第Ⅲ相STEER試験の肯定的なデータを入手
- 2025年通期業績予想2を上方修正 ― 売上高は一桁台後半の成長率、コア営業利益は10%台前半の成長率を予想
2025年4月29日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2025年第1四半期の業績について、次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、2025年第1四半期の売上高を15%伸長(実質ベース)させるとともに、コア営業利益を27%拡大(実質ベース)し、好調な1年のスタートを切りました。2030年まで、そしてそれ以降の成長を牽引することが期待されるKisqali、ケシンプタ、レクビオを含む優先ブランドが、引き続き力強い伸びを示しました。また、2025年第1四半期には、Pluvictoのタキサン系抗がん剤未使用の患者への適応追加、VanrafiaのIgA腎症適応、ファビハルタのC3腎症適応などの新規承認を含め、研究開発面での大きなマイルストーンも達成しました。さらに、ノバルティスは、大きな貢献が期待されるremibrutinibの初めての適応症となる慢性特発性蕁麻疹(CSU)適応を世界各国で申請しました。私たちは、引き続き業界をリードするパイプラインの前進に注力するとともに、業績見通しの達成に自信を持っています」。
主要数値
2025年第1四半期 | 2024年第1四半期 | 前年同期比(%) | ||
百万米ドル | 百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
第三者への売上高 | 13 233 | 11 829 | 12 | 15 |
営業利益 | 4 663 | 3 373 | 38 | 44 |
純利益 | 3 609 | 2 688 | 34 | 37 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) | ||
1.83 | 1.31 | 40 | 42 | |
フリーキャッシュ フロー | 3 391 | 2 038 | 66 |
|
コアベース |
|
| ||
営業利益 | 5 575 | 4 537 | 23 | 27 |
純利益 | 4 482 | 3 681 | 22 | 26 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) |
|
|
2.28 | 1.80 | 27 | 31 |
1 実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の31ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載のある場合を除き、すべて前年同期に対するものです。2 業績予想の前提条件に関する詳細は、5ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧ください。
戦略
事業の集中
ノバルティスは、革新的医薬品に特化した製薬企業です。ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に明確に焦点を合わせ、この4つの疾患領域のそれぞれに、負担が大きい疾患に対する治療薬であり、大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(低分子医薬品、抗体医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞治療、放射性リガンド療法、核酸医薬品)の研究開発力および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。
優先課題
- 成長を加速:すべてのコア疾患領域における豊富なパイプラインにより、価値の高い医薬品(新規化合物)の供給に再注力するとともに、優れた上市活動にフォーカス
- 株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の継続、ならびに資金生成と、資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
- 基盤の強化:社員の能力の最大化、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続
財務業績
売上高は、販売量増加による15ポイントの貢献があり、132億米ドル(12%増、実質ベース 15%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響が2ポイントとなったほか、主に米国における収入控除調整が寄与し、価格によるプラス影響が2ポイントありました。
営業利益は、売上高の増加が優先ブランドおよび上市活動への投資の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、47億米ドル(38%増、実質ベース 44%増)となりました。
純利益は、営業利益の増加によるプラス効果が法人税の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、36億米ドル(34%増、実質ベース 37%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.83米ドル(40%増、実質ベース 42%増)となりました。
コア営業利益は、売上高の増加が、優先ブランドおよび上市活動への投資の拡大、ならびに研究開発費の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、56億米ドル(23%増、実質ベース 27%増)となりました。コア売上高営業利益率は、3.7ポイント増(実質ベース 4.0ポイント増)の42.1%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、45億米ドル(22%増、実質ベース 26%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、2.28米ドル(27%増、実質ベース 31%増)となりました。
フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与し、前年同期の20億米ドルから34億米ドル(米ドルベース 66%増)に増加しました。
2025年第1四半期の優先ブランド
第1四半期の業績は、以下を含む主な成長製品への継続的なフォーカスに下支えされました(第1四半期の売上高の伸びに対する貢献順):
エンレスト | (売上高:2,261百万米ドル、実質ベース 22%増) |
Kisqali | (売上高:956百万米ドル、実質ベース 56%増) |
ケシンプタ | (売上高:899百万米ドル、実質ベース 43%増) |
コセンティクス | (売上高:1,534百万米ドル、実質ベース 18%増) |
レクビオ | (売上高:257百万米ドル、実質ベース 72%増) |
セムブリックス | (売上高:238百万米ドル、実質ベース 76%増) |
ファビハルタ | (売上高:81百万米ドル) |
Pluvicto | (売上高371百万米ドル、実質ベース 21%増) |
ゾルゲンスマ | (売上高:327百万米ドル、実質ベース 13%増) |
ルタテラ | (売上高:193百万米ドル、実質ベース 15%増) |
2025年第1四半期 売上高上位20製品
2025年第1四半期 | 前年同期比(%) | ||
百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
エンレスト | 2 261 | 20 | 22 |
コセンティクス | 1 534 | 16 | 18 |
Kisqali | 956 | 52 | 56 |
ケシンプタ | 899 | 41 | 43 |
タフィンラー・メキニスト | 552 | 16 | 19 |
レボレード | 546 | 5 | 8 |
ジャカビ | 492 | 3 | 7 |
ゾレア | 456 | 14 | 19 |
イラリス | 419 | 18 | 20 |
タシグナ | 377 | -5 | -2 |
Pluvicto | 371 | 20 | 21 |
ゾルゲンスマ | 327 | 11 | 13 |
サンドスタチン グループ | 317 | -11 | -9 |
レクビオ | 257 | 70 | 72 |
セムブリックス | 238 | 75 | 76 |
ルタテラ | 193 | 14 | 15 |
ルセンティス | 189 | -40 | -38 |
エックスフォージ グループ | 179 | -7 | -1 |
ディオバン グループ | 150 | 7 | 12 |
エクア グループ | 124 | -17 | -11 |
上位20製品 合計 | 10 837 | 17 | 19 |
研究開発関連のアップデート ― 第1四半期の主な進捗
新規承認
Pluvicto | FDAは、Pluvictoの効能に、アンドロゲン受容体経路阻害剤による治療歴があり、化学療法の延期が適切と考えられるPSMA陽性転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者を追加。これにより、対象患者数が約3倍に拡大。 |
Vanrafia | FDAは、急速な病状進行リスクを伴う原発性IgA腎症(IgAN)の成人患者におけるVanrafiaのタンパク尿抑制の適応を迅速承認。Vanrafiaは、直ちにIgANの支持療法に追加され、基盤治療の一つとして使用される。 |
ファビハルタ | C3腎症(C3G)の成人患者への適応が、米国、欧州ならびに中国で承認され、これらの3つの市場すべてで本適応が承認された初めてかつ唯一の薬剤となる。 |
承認申請に関するアップデート
Remibrutinib | Remibrutinibの慢性特発性蕁麻疹(CSU)適応を、米国・EU・中国で申請。米国では、優先審査バウチャーを使用し、2025年下半期に承認の見込み。中国では、優先審査品目に指定される。 |
セムブリックス | 第Ⅲ相ASC4FIRST試験の96週間のデータに基づき、セムブリックスの初発の慢性骨髄性白血病(CML)の成人患者に対する適応をEUで申請。 |
進行中の臨床試験の結果およびその他のハイライト
OAV101 IT(onasemnogene abeparvovec) | ノバルティスは、脊髄性筋萎縮症(SMA)の2歳から18歳未満までの幅広い患者層を対象とした、開発中の髄腔内投与によるOAV101 ITの第Ⅲ相プログラムの肯定的な安全性および有効性の結果を発表。第Ⅲ相STEER試験において、OAV101 ITの投与により、Hammersmith運動機能評価スケールが、偽薬コントロール群の0.51ポイントと比べ、統計学的に有意かつ臨床学的に意義のある2.39ポイントの改善を示す。さらに、第Ⅲb相STRENGTH試験において、ヌシネルセンまたはリスジプラムの投与を中止した患者がOAV101 ITによる治療を行った場合に、運動機能の安定が追跡期間の52週にわたって持続。OAV101 ITは、未治療および治療歴がある患者の双方で、良好な安全性プロファイルを示す。試験データを筋ジストロフィー協会(MDA)会議で発表。 |
Remibrutinib | The New England Journal of Medicineに、第Ⅲ相REMIX-1およびREMIX-2試験の24週にわたるプラセボ対照二重盲検試験のデータを掲載。Remibrutinibは、早期の症状改善と有効性の持続を示すとともに、慢性特発性蕁麻疹(CSU)の諸症状をプラセボ比で改善。早くて投与開始から1週目に諸症状の改善が見られ、二重盲検試験の期間中にわたって奏効率を持続。Remibrutinibは、優れた忍容性を示し、全般的な有害事象の発症率は、プラセボ群と同等。 |
Ianalumab | これまでに少なくとも1回のコルチコステロイド製剤およびトロンボポエチン受容体作動薬による治療を受けたことがある、進行した原発性免疫性血小板減少症(ITP)の成人患者を対象とした第Ⅱ相VAYHIT3試験の結果において、短期間のianalumabの投与により臨床学的に有意な効果と優れた忍容性が認められる。これらの試験結果は、今後の医学学会で発表予定であり、2025年下半期の結果入手を見込む第Ⅲ相VAYHIT2試験と合わせ、ITPの二次治療薬としての申請をサポートすることが期待される。 |
提携・買収など | ノバルティスは、心房細動患者の脳卒中および全身性塞栓症の予防薬として開発中で、FXI阻害経路を標的とするファーストインクラスのモノクローナル抗体となる可能性があるabelacimabを開発するバイオ医薬品企業Anthos Therapeutics社の買収を完了。この買収は、循環器領域におけるノバルティスの成長戦略ならびに専門性に合致し、第Ⅲ相臨床試験段階の候補化合物がパイプラインに追加された。 |
資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。
2025年第1四半期に、ノバルティスは、2023年7月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入(最大で27億米ドルの資金が残る)の一環として、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、合計2,480万株の自己株式を26億米ドルで買い戻しました。さらに、150万株(株式価値2億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2025年第1四半期に、社員持ち株制度関連の株式受け渡しにより、1,050万株(株式価値3億米ドル)が受け渡されました。ノバルティスは、社員持ち株制度による希釈化影響を今年中に相殺したいと考えています。この結果、発行済み株式総数は、2024年12月31日時点と比べて1,580万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が25億米ドル減少するとともに、27億米ドルの現金が支出されました。
2025年3月31日現在の純負債額は、2024年12月31日時点の161億米ドルから223億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、3月に実施された53億米ドルの年間配当金の支払い(配当金総額78億米ドルから、支払期限の2025年4月に払い戻されたスイスの源泉徴収税25億米ドルを差し引いた純額)、27億米ドルの自己株式の取引による現金支出と、12億米ドルの無形資産の取引による現金支出が、フリーキャッシュフロー34億米ドルを上回ったことです。
2025年第1四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ・レーティングスがAa3、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。
2025年通期業績予想
不測の出来事を除く;実質ベースの前年比成長率 | |
売上高 | 一桁台後半の成長率を予想 |
コア営業利益 | 10%台前半の成長率を予想 |
主な前提条件:
- 業績予想を目的として、ノバルティスは、タシグナ、Promacta(レボレード)、エンレストのジェネリック医薬品が、2025年半ばに米国で上市されると想定しています。
外国為替の影響
2025年4月後半の為替レートが2025年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2025年通期での外国為替の影響は、売上高に対して0ポイント、コア営業利益に対してマイナス2ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日を過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で2.5億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
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