プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2024年4月23日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.com をご参照下さい。
- 2024年第1四半期の売上高は11%増(実質ベース1、米ドルベース 10%増)、コア営業利益は22%増(実質ベース、米ドルベース 16%増)
- エンレスト(実質ベース 36%増)、コセンティクス(実質ベース 25%増)、ケシンプタ(実質ベース 66%増)、Kisqali(実質ベース 54%増)、Pluvicto(実質ベース 47%増)、レクビオ(実績ベース139%増)などの主な成長製品の売上が引き続き堅調
- コア売上高営業利益率は、主に売上高の伸びが寄与し、3.4ポイント増(実質ベース)の38.4%
- 営業利益は39%増(実質ベース、米ドルベース 29%増)、純利益は37%増(実質ベース、米ドルベース 25%増)となり、主に売上高の増加が寄与
- コアEPSは、23%増(実質ベース、米ドルベース 17%増)の1.80米ドル
- フリーキャッシュフロー1は、20億米ドル(米ドルベース 24%減)となり、前年同期の一時的な要因ならびに支払い時期のずれにより減少
- 2024年第1四半期の研究開発面における主なマイルストーン:
- Fabhalta(iptacopan) – IgA腎症適応の申請がFDAに受理され、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)適応が欧州医薬品委員会(CHMP)の承認勧告を取得
- セムブリックス – 第Ⅲ相ASC4FIRST試験において、慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML-CP)の一次治療薬として2つの主要評価項目を達成
- Pluvicto – 第Ⅲ相PSMAfore試験の全生存期間(OS)に関する最新データにおいて、タキサン系抗がん剤未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者のHR<1.0を達成
- Remibrutinib – 第Ⅲ相試験の52週目のデータにより、ヒスタミンH1受容体拮抗剤でコントロール不十分な慢性特発性蕁麻疹(CSU)患者における持続した効果を立証
- 2024年通期業績予想を上方修正2 – 売上高は一桁台後半から10%台前半の成長率、コア営業利益は10%台前半から半ばの成長率を予想
- ノバルティスは、2025年の定時株主総会においてDr. Giovanni Caforioの取締役会長就任を提案
2024年4月23日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2024年第1四半期の業績について、次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、第1四半期に売上高の成長ならびにコア売上高営業利益率の拡大をともに達成し、堅調さを維持しました。広範囲における好業績は、すべての主要成長ブランドおよび地域に及び、私たちは2024年通期の業績予想を上方修正することができました。さらに、一次治療薬としてのセムブリックスの申請のための試験データや、タキサン系抗がん剤未治療の患者に対するPluvictoの適応ならびにremibrutinibのヒスタミンH1受容体拮抗剤でコントロール不十分な慢性特発性蕁麻疹(CSU)適応など、第1四半期に引き続きパイプラインが前進しました。ノバルティスの事業およびパイプラインの勢いは、中長期での成長の見通しに引き続き自信を与えてくれています」
主要数値
第1四半期(1~3月)
継続事業2 | ||||
2024年 | 2023年第1四半期 | 前年同期比(%) | ||
百万米ドル | 百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
売上高 | 11 829 | 10 798 | 10 | 11 |
営業利益 | 3 373 | 2 618 | 29 | 39 |
純利益 | 2 688 | 2 150 | 25 | 37 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) | ||
1.31 | 1.02 | 28 | 41 | |
フリーキャッシュ フロー | 2 038 | 2 684 | -24 |
|
コアベース |
|
|
|
|
営業利益 | 4 537 | 3 906 | 16 | 22 |
純利益 | 3 681 | 3 233 | 14 | 19 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) | ||
1.80 | 1.54 | 17 | 23 |
1 実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の34ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載のある場合を除き、すべて前年同期に対するものです。2 業績予想の前提条件に関する詳細は、6ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧ください。3要約版業績報告書(英文オリジナル版)の26ページに記載されるとおり、継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業活動が含まれ、非継続事業には、サンド事業の業績が含まれます。
戦略アップデート
事業の集中
2023年、ノバルティスは、革新的医薬品に特化した医薬品企業への転換を完了しました。ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に明確に焦点を合わせ、この4つの疾患領域のそれぞれに、負担が大きい疾患に対する治療薬であり、大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(低分子医薬品、抗体医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞治療、放射線リガンド療法、核酸医薬品)の研究開発力および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。
優先課題
- 成長を加速:付加価値の高い医薬品(新規化合物)供給への注力を新たにするとともに、すべてのコア疾患領域での豊富なパイプラインを背景とした優れた上市活動にフォーカス
- 株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の継続、ならびに資金生成と、資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
- 基盤の強化:社員の能力の最大化、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続
財務業績
2023年9月15日の株主によるサンドの独立の承認後、ノバルティスは、当期ならびに過去の会計年度の連結業績報告書を「継続事業」と「非継続事業」に分けて報告しています。
継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業が含まれます。非継続事業には、サンド事業部門およびサンドの事業に関連する一部の企業活動、さらに、独立に関わる特定の費用が含まれます。
この後の説明は、継続事業に関するものが中心ですが、非継続事業についての情報も提供しています。
継続事業
2024年第1四半期(1~3月)
2024年第1四半期の売上高は、販売量の14ポイントの伸びに牽引され、118億米ドル(10%増、実質ベース 11%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は2ポイント、価格低下によるマイナス影響は1ポイントでした。
営業利益は、売上高の増加が主な要因となり、34億米ドル(29%増、実質ベース 39%増)となりました。
純利益は、主に営業利益の増加により、27億米ドル(25%増、実質ベース 37%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.31米ドル(28%増、実質ベース 41%増)となりました。
コア営業利益は、売上高の増加が主な要因となり、45億米ドル(16%増、実質ベース 22%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.2ポイント増(実質ベース 3.4ポイント増)の38.4%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、37億米ドル(14%増、実質ベース 19%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.80米ドル(17%増、実質ベース 23%増)となりました。
継続事業のフリーキャッシュフローは、前年同期の一時的な要因ならびに支払い時期のずれにより、前年同期の27億米ドルから20億米ドル(米ドルベース 24%減)に減少しました。
非継続事業
2023年第1四半期の非継続事業の業績には、サンドのジェネリック医薬品およびバイオシミラー事業部門、サンドに関連する一部の企業活動、さらに、サンドの事業の独立に関わるそのほかの特定の費用が含まれます。
サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年第1四半期には非継続事業の業績の計上はありません。2023年第1四半期の非継続事業の売上高は25億米ドル、営業利益は238百万米ドル、純利益は144百万米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant transactions 2023 - Completion of the spin-off of the Sandoz business through a dividend in kind distribution to Novartis AG shareholders)ならびに注記12(Discontinued operations)をご覧ください。
ノバルティス全体
2024年第1四半期のノバルティス全体の売上高は、前年同期の23億米ドルから27億米ドルに、基本EPSは、前年同期の1.09米ドルから1.31米ドルに増加しました。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は23億米ドル、フリーキャッシュフローは20億米ドルでした。
2024年第1四半期の成長の主な原動力
第1四半期の業績は、以下を含む主な成長製品への継続的なフォーカスに下支えされました(第1四半期の売上高の伸びに対する貢献順):
エンレスト | (売上高:1,879百万米ドル、実質ベース 36%増) 欧米において心不全適応でガイドラインに沿った治療が引き続き採用されたことによる普及拡大があったほか、中国での高血圧症適応の普及拡大があり、需要増に伴う力強い伸びが継続 |
コセンティクス | (売上高:1,326百万米ドル、実質ベース 25%増) 新規適応症の上市(米国における汗腺膿瘍適応や静注製剤など)ならびに主要な適応症での販売量増加が寄与し、主に米国、新興成長市場、欧州で売上高を拡大 |
ケシンプタ | (売上高:637百万米ドル、実質ベース 66%増) 高い有効性と利便性を併せ持つ自己注射製剤の需要拡大を反映し、すべての地域で増収に |
Kisqali | (売上高:627百万米ドル、実質ベース 54%増) HR陽性HER2陰性進行性乳がん患者の全生存期間(OS)に関する一貫した効果の認知向上が後押しとなり、すべての地域で大幅な増収に |
Pluvicto | (売上高:310百万米ドル、実質ベース 47%増) 米国および欧州で売上高の伸びが継続。生産の制限がなくなり、新規生産拠点の開設、照会先の開拓、新規患者への処方拡大に注力 |
レクビオ | (売上高:151百万米ドル、実質ベース 139%増) 患者へのオリエンテーション、アクセスの改善、疾患啓発にフォーカスし、堅調な伸びが継続 |
ジャカビ | (売上高:478百万米ドル、実質ベース 18%増) 骨髄線維症および真性多血症での力強い需要に牽引され、欧州、新興成長市場、日本で増収を達成 |
セムブリックス | (売上高:136百万米ドル、実質ベース 83%増) 慢性骨髄性白血病(CML)患者における高いアンメットニーズを反映し、すべての地域で売上高が拡大 |
ゾレア | (売上高:399百万米ドル、実質ベース 15%増) すべての地域で増収を達成 |
イラリス | (売上高:356百万米ドル、実質ベース 14%増) 米国・欧州を筆頭に、すべての地域で増収を達成 |
サンドスタチン グループ | (売上高:355百万米ドル、実質ベース 9%増) 主に米国で売上高を拡大 |
タフィンラー・メキニスト併用療法 | (売上高:474百万米ドル、実質ベース 5%増) 新興成長市場および日本で増収となる一方、米国での減収により一部相殺される |
ルタテラ | (売上高:169億米ドル、実質ベース 14%増) 需要拡大が寄与し、すべての地域で売上高を伸ばす |
新興成長市場 * | 全体で21%の増収(実質ベース)。主にエンレストおよびコセンティクスの好調により、中国の売上高が31%増(実質ベース)の10億米ドルに拡大 |
* 米国、カナダ、西欧諸国、日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く全市場
2024年第1四半期 売上高上位20製品
2024年第1四半期 | 前年同期比(%) | ||
百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
エンレスト | 1 879 | 34 | 36 |
コセンティクス | 1 326 | 23 | 25 |
ケシンプタ | 637 | 66 | 66 |
Kisqali | 627 | 51 | 54 |
レボレード | 520 | -5 | -4 |
ジャカビ | 478 | 15 | 18 |
タフィンラー・メキニスト | 474 | 3 | 5 |
ゾレア | 399 | 13 | 15 |
タシグナ | 395 | -15 | -13 |
イラリス | 356 | 9 | 14 |
サンドスタチン グループ | 355 | 8 | 9 |
ルセンティス | 314 | -25 | -23 |
Pluvicto | 310 | 47 | 47 |
ゾルゲンスマ | 295 | -5 | -3 |
エックスフォージ グループ | 192 | 3 | 5 |
ジレニア | 175 | -25 | -24 |
ルタテラ | 169 | 13 | 14 |
レクビオ | 151 | 136 | 139 |
エクア グループ | 149 | -19 | -12 |
ディオバン グループ | 140 | -11 | -7 |
上位20製品 合計 | 9 341 | 16 | 18 |
研究開発関連のアップデート ― 第1四半期の主な進捗
新規承認
ゾレア (オマリズマブ) | IgEが仲介する食物アレルギーであり、成人および1歳以上の小児が1種類以上の対象食物を誤って口にしたときに発症しうる、アナフィラキシーを含むアレルギー反応の抑制への適応を、米国食品医薬品局(FDA)が承認 |
承認申請に関するアップデート
Fabhalta (iptacopan) | 欧州医薬品委員会(CHMP)が、Fabhaltaの発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)への適応に関する承認を勧告 FDAは、IgA腎症の成人患者に対する適応の申請を受理し、優先審査品目に指定 |
進行中の臨床試験の結果およびその他のハイライト
セムブリックス (アシミニブ) | 初発の慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML-CP)患者を対象とした第III相ASC4FIRST試験において、2つの主要評価項目(イマチニブおよび医師選択のチロシンキナーゼ阻害薬、それぞれと比較した場合のセムブリックスの分子遺伝学的大奏効(MMR)率)を達成し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある結果を示す。さらに、セムブリックスの良好な安全性および忍容性プロファイルを立証。本試験データは、今後の医学学会で発表され、2024年に各国の規制当局への申請を予定 |
Fabhalta (iptacopan) | IgA腎症の患者を対象とした第III相APPLAUSE-IgAN試験のデータにおいて、臨床的に意義があり、統計学的に有意なタンパク尿のプラセボ比38.3%の減少が示される。これまでに報告されている試験データと同等の良好な安全性データが得られFabhaltaの優れた忍容性が示された。試験データを2024年の世界腎臓学会(WCN)で発表 さらに、PNH患者に対するFabhaltaの長期間の持続的効果と安全性プロファイルが立証された第Ⅲ相APPLY-PNH試験およびAPPOINT-PNH試験の継続試験のデータを2024年の欧州血液骨髄移植学会(EBMT)にて発表 |
Pluvicto | 事前に計画された75%情報分数での解析による最新の第Ⅲ相PSMAfore試験の全生存期間(OS)結果から、クロスオーバーの調整をしていない治療意図集団においてHR<1.0を達成。ノバルティスは、Pluvictoのタキサン系抗がん剤未治療の患者に対する効能追加を、2024年下半期に計画通りに申請予定 |
remibrutinib | 第III相REMIX-1試験およびREMIX-2試験の52週目のデータにより、 ヒスタミンH1受容体拮抗剤でコントロール不十分な慢性特発性蕁麻疹(CSU)の患者に対する一貫した効果が、治療開始後の早くて2週間から最長で1年間にわたって持続することが立証された。remibrutinibの忍容性は良好であり、長期にわたる一貫した良好な安全性プロファイルが示された。remibrutinib投与群の肝機能検査値異常を含めた両試験における全般的な有害事象の発現率は、プラセボと同程度。試験結果の全容は、今後の医学学会で発表される予定。ノバルティスは、2024年下半期にremibrutinibを申請予定 さらに、化膿性汗腺炎(HS)患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験の投与16週時のHidradenitis Suppurativa Clinical Response(HiSCR)評価において、remibrutinib投与群(2つの試験用量のいずれも)が、プラセボ比で良好な結果を示し、主要評価項目を達成。2024年の米国皮膚科学会(ADD)で試験データを発表 |
ルタテラ | 新たに診断されたグレード2および3の進行性神経内分泌腫瘍(GEP-NET)を対象とした第Ⅲ相NETTER-2試験において、高用量のオクトレオチド徐放性製剤(LAR)単剤投与群の無増悪生存期間(PFS)の中央値が8.5ヵ月であったのに対し、ルタテラとオクトレオチドLARの併用群ではPFSの中央値が22.8ヵ月に有意に延長。新規または予期せぬ安全性に関する所見は確認されなかった。2024年の米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO-GI)で試験データを発表 |
レクビオ | 新たな試験データにおいて、実臨床下で最大耐用量のスタチン療法にレクビオを早期に上乗せすることにより、スタチン単剤療法では目標数値を達成することができなかった動脈硬化性心血管病(ASCVD)関連イベントの既往歴がある方を含めたASCVD患者のLDLコレステロール値を有意に減少させることが立証された。試験データを2024年の米国心臓病学会(ACC)で発表するとともに、The Journal of the American College of Cardiologyに掲載 |
ケシンプタ | ALITHIOS非盲検継続試験において、最近診断を受けた未治療の再発性多発性硬化症(RMS)の一次治療薬として最長6カ月間ケシンプタを継続使用した場合、テリフルノミドからケシンプタに切り替えた患者と比較において、再発を44%抑制し、持続的な効果が得られることが立証された。ケシンプタは、ALITHIOSの被験者全体において一貫した安全性プロファイルを含む良好な忍容性も示す |
Kisqali | 第Ⅲ相NATALEE試験の結果が、The New England Journal of Medicineに掲載された。本試験において、ribociclibと内分泌療法(ET)の併用では、ET単独と比べ、リンパ節への転移がない患者を含めたステージⅡおよびステージⅢのHR陽性HER2陰性初期乳がんの幅広い患者層に対し、再発リスクを25%有意に抑制 |
ゾルゲンスマ | 第Ⅲb相SMART試験の最終データで、これまでの臨床試験で治療を受けていた子どもよりも月齢が高く体重の重い脊髄性筋萎縮症(SMA)患者(1.5~9.1歳、体重8.5 kg以上21 kg以内)へのゾルゲンスマの使用が支持される。治療を受けた患者のほぼ全員が、52週目以降に運動機能に関するマイルストーンを維持または改善し、ほとんどの患者が長期間の疾患修飾治療薬の投与から1回の遺伝子治療に切り替えた。2024年の筋ジストロフィー協会臨床会議(MDA)で試験データを発表 |
事業開発・ライセンシング(BD&L) | pelabresib(開発後期段階の骨髄線維症に対するBET阻害薬)およびtulmimetostat(開発初期段階の固形腫瘍またはリンパ腫に対するEZH2およびEZH1の二重阻害薬)を含むMorphoSys社の買収計画を発表。同社の買収は、オンコロジー領域への戦略的集中、ならびにがんの次世代治療薬の開発強化というノバルティスの戦略と一致。2024年第2四半期の買収完了を見込む ノバルティスは、IFM Due社の買収に関わる独占的オプション権を行使。この買収により、ノバルティスは、IFM Due社のSTING拮抗薬のポートフォリオをすべて取得する権利を獲得し、炎症性疾患治療薬のパイプラインを強化するとともに、炎症に起因するさまざまな症状に対する画期的新薬の開発への取り組みを前進させることが可能 ノバルティスは、第2世代PROTAC®アンドロゲン受容体(AR)分解薬ARV-766の全世界での独占的な開発・販売権を含む、Arvinas社との取引を開始。ARV-766はノバルティスの前立腺がんに対する放射線リガンド療法プラットフォームを補完するもの |
資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。
2024年第1四半期に、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、2023年7月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入(最大で117億米ドルの資金が残る)の一環としての合計1,030万株の自己株式を、10億米ドルで買い戻しました。さらに、100万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2024年第1四半期に、社員持ち株制度関連の株式受け渡しにより、770万株(株式価値3億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2023年12月31日時点と比べて360万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が9億米ドル減少するとともに、11億米ドルの現金が支出されました。
2024年3月31日現在の純負債額は、2023年12月31日時点の102億米ドルから158億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、3月に実施された52億米ドルの年間配当金の支払い(配当金総額76億米ドルから期限である2024年4月に払い戻されたスイスの源泉徴収税24億米ドルを差し引いた金額)と、11億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)、M&Aおよび無形資産の取引による現金支出(純額)12億米ドルが、フリーキャッシュフロー20億米ドルによって一部相殺されたことです。
2024年第1四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ・レーティングスがAa3、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。
2024年通期業績予想
不測の出来事を除く;実質ベースの前年比成長率 | これまでの予想 | |
売上高 | 一桁台後半から10%台前半の成長率を予想 | (一桁台半ばの成長率) |
コア営業利益 | 10%台前半から半ばの成長率を予想 | (一桁台後半の成長率) |
- 主な前提条件:
上記の業績予想は、米国においてエンレストならびにPromacta(レボレード)のジェネリック医薬品が2024年に上市されないことを前提としています
外国為替の影響
2024年4月下旬の為替レートが2024年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2024年通期での為替の影響は、売上高に対してマイナス2ポイント、コア営業利益に対してマイナス4ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。
2025年の定時株主総会でDr. Giovanni Caforioの取締役会長就任を提案
Dr. Joerg Reinhardtの取締役会長としての12年間の任期が、予定通り2025年に満了となります。それに伴い、同氏は引退し、定時株主総会での再選は目指さないこととなります。Reinhardt氏は、1982年にサンドに入社し、サンド、そしてその後のノバルティスにおいて、ワクチン・診断薬事業部門のトップや最高執行責任者(COO)などの重要な役職を歴任しました。2013年には取締役会長に任命され、その在任期間中にノバルティスは多角的なヘルスケア企業から革新的な医薬品に特化した企業に転換しました。
取締役会は、Dr. Giovanni Caforioの取締役会長への任命を提案しています。株主は、次の2025年定時株主総会においてCaforio氏の取締役任命についての採決を行います。
Caforio氏は、2000年のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)への入社以来、同社でさまざまな上級の役職を歴任してきました。2015年5月から2023年11月までは同社の最高経営責任者(CEO)、そして、2017年5月から2024年3月までは会長を務めました。同氏のリーダーシップの下、BMSは、優れた研究開発力ならびに販売力を持つグローバルな医薬品企業に成長しました。Caforio氏は、イタリアで生まれ、イタリアで教育を受けています。イタリアと米国の市民権を持つ同氏は、医師としての教育を受けており、ローマ大学から医学博士の博士号を授与されています。Caforio氏は、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、英語を話します。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日が過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で2.5億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
ノバルティスのソーシャルメディアもご覧ください。 Facebook LinkedIn X/Twitter Instagram
以上