プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2025年9月9日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
- Tourmaline Bio社は、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の治療選択肢として抗IL-6 mAbであるpacibekitugの開発を進めるバイオ医薬品企業
- pacibekitugは、心血管リスクの独立した大きな要因である全身性炎症を抑制する可能性を持つ有望な標的治療であり、ASCVD治療における重要なアンメット・ニーズに対応
- 本公開買付け価格は、1株当たり48米ドル、完全希薄化後の企業価値は約14億米ドル
2025年9月9日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは本日、ニューヨークを拠点とし、動脈硬化性心血管疾患の治療選択肢として抗IL-6 mAbであるpacibekitugの開発に注力するバイオ医薬品企業Tourmaline Bio社(Nasdaq: TRML)を買収する契約を締結したと発表しました。pacibekitugは、全身性炎症を促進する重要な上流サイトカインであるIL-6を標的とすることで、ノバルティスの循環器領域における戦略を補完し、重要なアンメット・ニーズに対応するものです。すでに第Ⅱ相臨床試験1が順調に進んでおり、ノバルティスは第Ⅲ相臨床試験の準備が完了した資産を獲得することで、循環器領域における既存のポートフォリオをさらに強化します。
ノバルティスのPresident, Development and Chief Medical OfficerであるShreeram Aradhyeは、次のように述べています。「現在、循環器リスクの軽減を目的とした抗炎症療法が広く普及していない中、pacibekitugは、IL-6を標的とする独自の作用機序により、ASCVDにおける残存炎症性リスクに対処する画期的な可能性を示しています。炎症は循環器疾患の主な要因であり、Tourmaline社は本資産で大きな進展を遂げました。当社は取り組みを多様化させる中で、pacibekitugをノバルティスの循環器領域のポートフォリオに加え、Tourmaline社と協力して開発を進めることを嬉しく思います」。
pacibekitugは、ASCVDに関連する全身性炎症の緩和を目的として設計された開発中の抗IL-6 IgG2ヒトモノクローナル抗体であり、IL-6への高い結合親和性が実証されています。2025年5月20日に発表された第Ⅱ相TRANQUILITY試験の90日間の結果では、pacibekitug15mgを月1回投与した場合、90日目までに高感度C-反応性タンパク(hs-CRP)濃度の中央値が85%低下、50mgを年4回投与した場合では86%の低下が認められました。有害事象および重篤な有害事象の発現率は、いずれの投与群においてもプラセボ群と同程度でした。これらの結果は、pacibekitugが、既存治療と比較して、残存炎症性リスクを効果的に標的とし、年4回という投与という高い利便性をもって、循環器疾患治療におけるアンメット・ニーズに対応する可能性を示しています。
取引の詳細
両社の取締役会において全会一致で承認された本取引の条件に基づき、ノバルティスは完全子会社を通じて、株式公開買付を開始し、Tourmaline社の全株式を、取引完了時点で1株当たり48米ドルの現金価格で取得します。
公開買付け完了後、ノバルティスは買収を行う子会社とTourmaline社を合併させ、Tourmaline社をノバルティスの間接的完全子会社とする予定です。
本取引は、Tourmaline社の発行済株式の過半数の公開買付け、ならびに、規制当局の承認取得など、通常の締結条件が満たされる、もしくは免除されることを条件として、2025年第4四半期に完了する見込みです。取引完了までの間、ノバルティスおよびTourmaline社は、それぞれ独立した企業として事業を継続します。
循環器領域におけるノバルティスについて
ノバルティスのミッションは、「心血管疾患(CVD)で失われる命を一つでも減らす」ことです。ノバルティスは、予防できる心血管死が限りなくゼロに近づく世界を思い描いています。これまでの40年間に達成した成果を誇りに思うとともに、これからも心血管疾患(CVD)における最も困難な諸問題に献身的に取り組んでいきます。最先端の科学と技術を活用し、xRNAプラットフォームを多くの危険因子に応用するなど、アンメット・ニーズの高い領域に焦点を合わせ、遺伝的要因のCVD危険因子や患者数の多い心房細動などの心疾患に対して、画期的な治療の早期開発を目指しています。
ノバルティスは、心血管治療のさらなる向上を目指し、医療の枠を超えて、世界中の患者さんや医療従事者、そして様々な組織と連携しています。それとともに、CVD患者さんが健康な生活を長く享受し、大切な人と豊な時間を過ごせるよう、日々尽力しています。
追加情報
本プレスリリースは、Tourmaline社の普通株式(額面価格0.0001米ドル、以下、「本株式」)またはその他の証券の購入および売却を提案するものでもありません。本プレスリリースに記載されている発行済の本株式に対する公開買付けは、現時点では開始されていません。本公開買付けが開始された時点で、ノバルティスおよびその間接的完全子会社であるTorino Merger Sub社(以下、「買付者」)は、買付申込書、送付状、関連書類など、Schedule TOの公開買付説明書を米国証券取引委員会(以下、「SEC」)に提出し、Tourmaline社は、本公開買付けに関して、Schedule 14D-9の勧誘・勧告書をSECに提出する予定です。
投資家および証券保有者は、本公開買付け資料(買付申込書、送付状、関連書類など)ならびに本公開買付けに関するSchedule 14D-9の勧誘・勧告書(随時修正される可能性があります)の両方を、入手可能になり次第、注意深くお読みください。投資家および証券保有者が当有価証券の入札に関する判断を行う前に考慮すべき重要な情報が含まれています。
本株式の買付けの申込みは、Schedule TOの一部として提出される買付申込書、送付状、関連する申込み書類に従ってのみ行われます。これらの資料、およびノバルティス、買付者、Tourmaline社がSECに提出したまたは提出させたその他の書類はすべて、SECウェブサイト(www.sec.gov)または公開買付説明書に記載される公開買付の情報代理人への請求によって無料で入手できます。買付申込書および関連資料は、ノバルティスのウェブサイト(www.novartis.com/investors/financial-data/sec-filings)の「Investors – Financial Data」セクションでも無料で入手できます。また、勧誘・勧告書は、Tourmaline社ウェブサイト(ir.tourmalinebio.com/)の「Investors」セクションからも無料で入手可能です。加えて、Tourmaline社は年次、四半期、現在の各報告書およびその他の情報を、ノバルティスは年次報告書およびその他の情報をSECに提出しており、これらもwww.sec.govにて無料で一般公開されています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日を過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で3億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
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以上
参考文献
- A Study to Evaluate TOUR006 in Patients With Chronic Kidney Disease and Elevated Hs-CRP (TRANQUILITY). Clinicaltrials.gov. (2025). https://clinicaltrials.gov/study/NCT06362759?tab=table
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