園部 宗俊 さん
Lead, Customer data & Analytics
アナリティクスを用いて意思決定の不確実性を削減する
CD&Aでアナリティクスチームのリードを担当しています。私は2017年に人材系の会社に新卒入社した後、2020年には損害保険会社、2022年にノバルティスに入社しました。キャリアの中で最初の半年は新規開拓営業をしていましたが、その後は一貫してデータ分析のキャリアを歩んでいます。現在の業務では、アナリティクスの領域において、戦略と戦術の立案、プロジェクトマネジメント、チームマネジメント、ステークホルダーとのコミュニケーション、分析を中心に担っています。
私が入社したときは、前身のデータ&デジタルトランスフォーメーション部に所属し、現在の上司である中村さんと二人三脚で働いていました。そして2023年1月には、データ&アナリティクスに注力する会社の方針のもと、現在の顧客データ&アナリティクス部(以下、CD&A)が発足しました。
ノバルティスとして最も大きなミッションは、患者さんに薬をきちんと届けることです。そのためにはまず、医師に適切な薬の情報を提供していく必要があります。その際、会社が適切な情報に基づき意思決定ができていなければ、医師に適切な情報が届かず、ひいては患者さんにも薬が行き届かないということにもなり得ます。CD&Aとしては、データとアナリティクスを通して適切な意思決定を支援することを、大きなミッションとしています。
2023年末時点では、我々が扱っているテーマの7~8割は営業とマーケティングに関するものでしたが、今後数年で全事業部に対してアナリティクスによる支援範囲を拡大することを目指しています。
もちろんノバルティスでは、今までも製薬業界に根差したデータ集計/分析業務が行われてきました。その中で、CD&Aが加わったことによる価値は、アドバンストアナリティクスと呼ばれる手法群を加えることで、より多角的な視野から医師に対しての情報提供の仕組みを捉えられるようになったことです。例えば、シンプルな集計では「ある医師にどのチャネルで多く接点を持てているか」ということはわかりますが、「その医師がどのチャネルを好むか」という示唆を出すことは困難です。それに対して、アドバンストアナリティクスの手法群を用いて示唆を提供しています。
我々はまだ発足間も無く実績も少ない部署ですが、CD&Aの分析に基づいた意思決定は、各事業部でもすでに採用されています。来年の製品戦略への反映や、KPIモニタリング項目の追加など、着々と取り組みが反映されつつあります。
しかし現状ではまだ、アナリティクスが社内で当たり前のことになっているとは言えません。そもそも何ができるのかわからない。CD&Aとどう接していいかわからない。発足当時に比べ浸透しているとはいえ、アナリティクスの価値を伝えられていない方は、まだまだたくさんいます。我々はその価値を適切に訴求していくために、まず各事業部の戦略と戦術を理解し深く入り込むこと、その上でお困りごとに対して最適な方法を提案することを大事にしています。しっかりビジネスに寄り添ったコミュニケーションができて初めて、アナリティクスにも目を向けていただけると考えているためです。
2024年からは、CD&Aから各事業部に対して、積極的に提案を開始しています。昨年のCD&A発足当初はメンバーも少なく社内の依頼を受けることがメインでしたが、今では心強いメンバーが増え、アナリティクスチームの土台が固まってきました。これから益々、チーム一丸となって取り組みを進めたいと考えています。
最後に、入社して丸2年が過ぎましたが、私はノバルティスで充実した日々を過ごしています。仕事内容もそうですが、会社のメンバーもデータ&アナリティクスに前のめりで協力的な方が多いため、大変なときでもやり切る原動力になっています。今後も一層、会社の事業に、医師に、患者さんに貢献していけたらと思います。
伊勢村 友哉 さん
Data Scientist, Customer data & Analytics
データベース構築が患者さんへの貢献につながる
私がノバルティスに入社したのは、2023年の4月のことです。それまでは、製薬会社に向けてサービスを展開する調査会社という立場でした。第三者として外からアプローチするのではなく、当事者として製薬会社で働きたいと思い、ノバルティスへの転職を決意しました。
CD&Aでの私の仕事は、とにかく手を動かすこと。園部さんは全体を統括していますが、私は特に作業に特化しています。
私はCD&Aが立ち上がってから約3ヶ月後に入社し、この部に所属となりました。現在、入社してから半年と少しが経過しましたが、この間とくに注力していたのが、データの収集です。データを分析するためには、分析するためのたくさんのデータが必要になります。
まずは、分析に必要なデータベースを築くことが私のミッションです。ノバルティス社内のデータはあちこちに点在していたため、様々な担当者に確認しながら、1箇所にまとめました。他に、外部で公開されているデータの収集も行いました。たとえば、論文の著者から医師のデータをピックアップするなどです。
社内外のデータをまとめることは、途方もない作業ではありますが、データを一元管理できれば、それだけ多様な分析ができるようになります。そして、分析したデータが、一人でも多くの患者さんを救うことにつながるかもしれません。それもまたCD&Aのひとつの価値になると思いました。
データ分析というと近未来的にも聞こえますが、実はこのように地道な作業もたくさんあります。そして園部さんのお話にもあったように、周囲とのコミュニケーションというのも、CD&Aの取り組みをする上でとても大切な要素になります。
もしデータを集めても、CD&Aと事業部で、データに対する価値観が同じとは限りません。データから我々が分析をしたデータが事業所の求めるものとは異なるというケースもあります。どんなデータを用い、何を、どう分析するか。きちんとコミュニケーションをとり、認識をすり合わせることが大切になります。
依頼を受けて、分析を行い、結果を提示する。その取り組みによって、活動にこんな変化があった、こんな良い影響があったという実績を積み上げていくことが、今の私の目標です。そしてそれが、ノバルティスに転職してやりたかったことでもあります。
CD&Aはまだできたばかりの部署で、人数も多くありません。その分、一人一人の責任が大きくあります。誰かに頼っていられない。そんなプレッシャーを楽しみながら、私は仕事をしています。立場で言えば患者さんとの距離はありますが、前職での経験もフル活用しながら、貢献を届けられればと思います。