情報格差をなくし、患者様により幅広い治療をお届けすることがミッション

Sep 15, 2023

後藤 卓也
ストラテジックプランニング&エンゲージメント ヘッド

社会変化に合わせて医師のニーズに応える取り組みにチャレンジ

2023年3月、デジタルコミュニケーター(DC)の部署を立ち上げました。もともとは2020年に一部の製品を対象に各事業部にて活動を開始しています。今回、15製品24適応症とより多くの製品情報をお届けするにあたり、一つの部署に集約し組織を立ち上げました。

DCは、電話やメール、オンラインビデオなどで情報提供活動を行います。コロナ禍を経て、医療従事者の情報収集手段は多様化しました。また、2024年4月から医師の働き方改革も始まります。こういった様々な社会状況に対応し、医療従事者の方々の限られた時間の中で、迅速かつ的確に情報提供を行うことを目的とした取り組みです。DC全体の戦略と方向性を決めるのが、私の主な業務になります。

今までの情報提供活動は、直接訪問を行うMRが中心でしたが、DCはデジタルのみでのコミュニケーションを行う新たな試みです。今回のチーム設立の際、積極的にチャレンジしたい希望者を募りました。ただ、当初は手を上げて集まったメンバーも具体的なイメージがわいていなかったと思います。DCに何ができるのか、どんな役割を担うのかと。活動を積み重ねていく中で、顧客とのフィードバックを受けながら作り上げています。

メンバーの多くは元々MR。MRとして培ってきた経験やスキルの多くは適用できますが、異なる部分もあります。例えばMRは決まったドクターにお会いしますが、DCの営業スタイルは新規営業に近いんです。何度もお会いして関係を構築していくMRとは異なり、DCは1回話して「このDCからは得るものがないな」と思われてしまうと、次がありません。

1回の面談で先生のニーズにあったご提案をするには、とにかく事前の準備が大切になります。先生とお会いしたことがあるMRがいれば話を聞き、ホームページなどからも情報を集めます。この先生は、どういったお考えで治療をされているのだろうか。この先生は、今何を必要としているのだろうか。いろいろなケースを想定して、できるだけ先生のお役に立てるように準備をして臨みます。

そして一口にDCと言っても、担当する領域によっても形は変わってきます。課題はDC全体としてだけでなく、領域ごと、チームごとにあります。まずはやってみて、そこから学んで、修正していく。進みながら、知識や経験を集積していくことがすごく大事だと感じています。今年から組織としてDC機能を集約していますが、60名を超えるメンバーが日々新たなことに挑戦し、知識や経験を蓄積しているので、将来に向けた貴重な財産を築けていると思います。

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先生にとって「どんな価値提供をできるか」を考え続けること

以前、ある大学の先生から「DCという活動は他社では知らない。これからの時代に即した活動で、MR訪問に加えDC活動というチャネルが増えるという事は医師にとって望ましい。」と仰っていただいたことがありました。とても嬉しかった一方で、身が引き締まる思いがしました。

私たちは日常生活で、デジタルだったり、その裏にある分析に支えられた生活を享受しています。そして、それは先生方の日常生活も同様です。にもかかわらず、製薬メーカーとのやりとりでは、日常生活での便利さを十分に享受できていない。私はそこに違和感を感じています。世の中で当たり前のことが、なぜ製薬業界ではできないのか。ルールなどもあり、もちろん変えられない部分があることは承知していますが、固定概念に囚われないということは、チームとしても、私としても常に意識しています。

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日本は国民皆保険であるため、どこにいても一定水準以上の医療を受けることができます。にもかかわらず、最新・最適な情報が先生に届かず、患者さんに最新・最適な治療をお届けできないようなことは、この情報社会においてはあってはいけないと思います。情報をしっかりとお届けし、患者様により幅広い治療をお届けすることが、私たちDCの大きなミッションだと思っています。デジタルやデータ分析を、どんどん我々の活動に組み込んでいく。そうすることで、レベルの高いコミュニケーションを実現することができます。そしてそれは、その先にいる患者さんにも役立つことになります。

こうやってデジタルやデータといった言葉を使うと聞こえはいいのですが、そうは言っても一番大事なことは「先生にとって、DCがどんな価値提供をできるか」を、私たちが考え続けることだと思うんです。それを根幹に、じゃあこういったツールを作りましょう、こんなデジタル化を行いましょう、と。ツールありきで動くのではなく、先生に寄り添い、同じ目線に立ち「こういう課題があるから、こういうツールをご提供しよう」という考え方の順番が大切だと思っています。

もちろん先生が求める情報提供方法が、DCではなくMRというケースもあります。私たちDCは、MRとの協力関係をとても大切にしています。MRが必要な先生にはMRを、DCが必要な先生にはDCを、状況に応じた複数の情報提供方法が必要な先生にはMRとDCで協力します。デジタルと人の温かみの両輪で、先生のニーズにお応えしていきたいと思います。

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