デジタルコミュニケーターとして働くお二人に伺う「デジタルだからできること」

2023年3月、ノバルティス ファーマに新たに約60名の「デジタルコミュニケーター(DC)」が配置されました。業界最大規模となる今回の施策ですが、そもそもDCとはどんな役割なのでしょうか。DCとして活躍するお二人にお話を伺いました。

Oct 19, 2023

三枝 友恵

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デジタルの強みを活かし、全国の医療従事者からのお問い合わせに対応

私はノバルティス入社後、約13年間MRとして医療機関を訪問していました。2020年、育児休職後に復職するタイミングで、「新しい部署ができるので、立ち上げに携わってもらえないか」と打診を受けたことがきっかけです。

新しい部署というのが、デジタルコミュニケーター(DC)の前身にあたる部署でした。2020年の7月に精神科領域担当3名のグループの一員として発足し、当時はリモートコミュニケーター(RC)という名前で活動していました。3名でスタートしたRCでしたが、2023年3月には対象製品が拡大し、DCとして約60名まで増員することになりました。

DCは先生方に直接お会いすることはなく、メールや電話、Web面談などを活用して情報をお届けします。同じDCでも、担当領域によって医師へのアプローチ方法が異なります。私たちが担当している精神科領域は、主に全国の医療従事者からのお問い合わせに電話やメールでお答えしています。また、Web講演会やオンライン勉強会を通して、広く情報を発信しています。

医療従事者とのやりとりは、1日で30件以上になることも珍しくありません。このように多くの件数に対応できるのは、デジタルの強みです。デジタルを活用することで、全国の医療機関にタイムラグなく情報提供が可能になっています。

一方、DCを経験したからこそ、MRの強みに気づく経験もありました。それは、昨年学会を聴講した際、頻繁にDCを利用してくださっている先生に対面でご挨拶したときのことです。最初は先生にとても怪訝な顔をされました。今思うと当たり前のことですが、先生に対していつも電話で情報提供をしていたので、私の顔が分からなかったのです。私が誰だかわかると表情が一変して笑顔になり、「あー!いつもありがとう」と言っていただきました。やはり、顔がわかることでの親近感や安心感は、リアルでお会いすることの強みだと感じました。

この業務を始めて約3年になりますが、最近とても嬉しかったことがありました。それは、担当施設の薬剤師の先生から感謝のメールをいただいたことです。「何をやっても効果が出ない難治性の精神疾患の患者さんがいたが、ノバルティスと協力するようになってから保護室を出られるどころか退院できるまでになった」という内容のメールでした。この施設の医療従事者の方と私たちはチーム医療という形で協力体制を組み、多いときで月に100件を超える情報交換を行いました。そのメールの中で、「ノバルティスのデジタルコミュニケーターの方がいてくださって、心から感謝している。聞きたいときにすぐに対応してくれるのはありがたい存在だ」という内容のメールをいただきました。この経験を通じて私たちの仕事は患者さんに貢献できているのだと、仕事のやりがいを感じました。

このようにデジタルの力で必要な情報を正しく・広く・早くお届けすることで、患者さんの新たな未来を支援することに繋がっていると感じられることも増えてきました。これからの新しいMRの一つの形として、DCがチーム医療の一員を担えるよう引き続きメンバーと共に取り組んでいきたいと思います。


荻野 愛美

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DCを当たり前の存在にしたい

現在、私は循環器領域を担当するデジタルコミュニケーターとして業務を行っています。2023年2月までMRとして現場を訪問していました。今回デジタルという新しい形で貢献ができるDCの業務に可能性を感じ、自ら手挙げいたしました。

というのもコロナ禍で、先生方や医療従事者の方々のデジタル化がかなり進んでいると感じていました。現在(2023年8月時点)、COVID-19の落ち着きに伴い訪問規制は緩和されましたが、一定数の先生方は引き続きWeb面談やWeb講演会を評価されています。DCとしての業務を始める前は、デジタルでMRと同じことをやるのかなと思っていたのですが、実際にやってみたら全く異なりました。

MRの時は特定のエリアを担当していましたが、現在は特定のエリアがない為より広い範囲の先生方に情報提供が可能です。また、MRの頃は対面で頻繁に面談できましたが、デジタルの場合は面談の機会が限られており、一回一回がとても大切です。初めての先生とお話しする際は、―回のWeb面談で先生のニーズに合うご提案をし、満足度の高い情報を提供するなどのスキルが求められます。Web面談での伝え方だけでなく、電話での話し方や先生方にお送りするメールの内容などDCメンバーで試行錯誤を重ねる日々です。

これまでのノバルティスの体制では情報を伝えきれていない先生方や医療従事者の方々が全国にまだまだたくさんいらっしゃいました。そのような方々へ、私たちDCがデジタルを活用して情報をお届けしていきたいと思っています。

DCの強みは先生が聞きたい時にすぐに繋がれること。いつでもどこでも寄り添える、それがDCの最大の特長です。また、先生方に情報をお届けする際にはMRとの連携も大切にしています。DCとMRの連携があるからこそできることがあると考えています。

先日離島の先生との間にこんなことがありました。その先生はMRとの接点もあったのですが、離島ということもあり、定期的な面談が難しい状況にありました。そこで私たちDCがWeb面談を行うことになったのです。事前にMRとしっかり情報を共有し、かつ先生の文献や病院のホームページなどもチェックをし、先生が必要としている情報やお役に立ちそうな情報を検討しました。

その結果、先生とのご面談の中で、治療へのこだわりと患者さんへの困りごとをお伺いすることができ、お困りごとに対する提案など、先生の課題解決に役立つ情報を提供することができました。その後はMRに連携することで、DCとMRの協働関係を築くことができています。対面だけではなくデジタルという選択肢を先生方に持っていただくことで、DCとMRの双方から先生の好まれるチャネルを通じた情報提供が可能になると感じています。

ノバルティス製品に興味をお持ちの先生方に、私たちDCからの情報提供を通じて、先生の治療やその先にいる患者さんに貢献できることは、とても嬉しいことですし、とてもやりがいを感じる瞬間でもあります。

製薬企業の中で、ノバルティスのリモート部隊は最大だと言われています。業界をリードできるような部隊にすることが私の夢です。面談が終わったあとに、面談をしてよかったと思ってもらえるように。また次もノバルティスのDCと話したい、と思ってもらえるように。「荻野さんだから」ではなく、「レベルの高いノバルティスのDCだから」と思ってもらいたいです。今はまだ、DCという存在があまり知られていないかもしれません。いつかはMRと同じ様に先生にとって当たり前の存在になれるよう頑張りたいと思います。

https://www.drs-net.novartis.co.jp/dr/web_reserve/