Feb 07, 2022

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:レオ・リー)は、本日、小児の尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬に対して国内で唯一使用可能な生物学的製剤の新剤形となる「コセンティクス®75mg皮下注シリンジ」(一般名:セクキヌマブ(遺伝子組換え)、以下「コセンティクス」)を発売しました。

乾癬は慢性の炎症性疾患であり、そのうち1/3が小児期に始まるとされています1,2。乾癬は、患者に自信の喪失や周囲の理解不足から生じる社会的孤立といった心理的/社会的/精神的影響を与えます。特に、人格形成期である小児期においては、見た目のコンプレックス、痒みや痛みによる集中力の低下、将来への漠然とした不安などによる生活の質への悪影響が懸念されています3。また、小児乾癬の治療については、薬剤を長期に使用することによる安全性への懸念もあり、より安全で有効性の高い新たな治療選択肢が望まれてきました。

ノバルティスは、昨年9月27日、「コセンティクス」の小児の尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬への適応に関して、用法及び用量の承認事項一部変更承認、ならびに新剤形となる75mg製剤の承認を取得しました。

この度の新剤形の発売について、ノバルティス ファーマの代表取締役社長レオ・リーは次のように述べています。「『コセンティクス』を国内唯一の小児乾癬に対する生物学的製剤として提供するにあたり、75mg製剤が発売になったことで、より体重の軽い小児患者さんにも使用していただけるようになります。乾癬を患う小児患者さんやご家族の生活の質の向上に貢献できることを心から願っています。」

なお、この新剤形についても、ノバルティス ファーマ株式会社とマルホ株式会社(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役社長:杉田 淳)は、国内の皮膚科領域で継続して共同プロモーションを行います。

コセンティクス®(一般名:セクキヌマブ)について

「コセンティクス」は、乾癬、強直性脊椎炎(AS)及びX線所見が認められない体軸性脊椎関節炎の全身性炎症および進行に関与する重要なサイトカインであるインターロイキン-17 A(IL-17A)を直接阻害する、最初に承認されたヒト型の生物学的製剤です4-6

「コセンティクス」は、乾癬およびASの適応症で成人における実臨床下での長期使用の経験および小児乾癬を対象とした臨床試験での長期データなど、堅固な臨床的エビデンスを有しています5,7,8。これらのデータは、乾癬、脊椎関節炎の迅速かつ長期にわたる包括的治療における「コセンティクス」の重要なポジションを強化するものです。「コセンティクス」の上市以来、世界で40万人を超える患者さんが投与を受けています9

乾癬について

乾癬は、高頻度に見られる非感染性の自己免疫疾患で、世界中で1億2,500万人を超える患者が罹患しています1,10。乾癬の1/3は小児期に始まり、その発症は青年期に最も多くみられます1,2。世界中で最大35万人以上の小児が影響を受けています1。尋常性乾癬は最も高頻度に見られる病型であり、角質が銀白色に積み重なり、盛り上がった紅斑として現れます。

乾癬は、単に美容上の問題ではなく、長期持続し、時に悲痛な疾患であり、患者の日常生活のわずかな側面にも影響を及ぼすおそれがあります。乾癬患者のほぼ30%が、乾癬性関節炎を発症しているか、あるいは今後発症する可能性があります11。関節症性乾癬では、関節にも病巣が広がり、痛み、こわばり、不可逆的な関節損傷などの深刻な症状を引き起こします。乾癬はまた、糖尿病、心疾患、うつなど、その他の重篤な疾患とも関連しています11

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約11万人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp

以上

参考文献

  1. Menter A, Cordoro KM, Davis DMR, et al. Joint American Academy of Dermatology-National Psoriasis Foundation guidelines of care for the management and treatment of psoriasis in pediatric patients. J Am Acad Dermatol. 2020;82(1):161-201. 
  2. Tollefson MM, Crowson CS, McEvoy MT, et al. Incidence of psoriasis in children: a population-based study. J Am Acad Dermatol. 2010;62(6):979-987. 
  3. Bronckers IMGJ, Paller AS, Van Geel MJ, et al. Psoriasis in Children and Adolescents: Diagnosis, Management and Comorbilities. Paediatr Drugs. 2015;17:373-384. 
  4. Sieper J, Poddubnyy D and Miossec P. The IL-23-IL-17 pathway as a therapeutic target in axial spondyloarthritis. Nat Rev Rheumatol. 2019;15:747-757. 
  5. Mease PJ, Kavanaugh A, Reimold A, et al. Secukinumab Provides Sustained Improvements in the Signs and Symptoms of Psoriatic Arthritis: Final 5-year Results from the Phase 3 FUTURE 1 Study. ACR Open Rheumatol. 2020;2:18-25.
  6. Girolomoni G, Mrowietz U and Paul C. Psoriasis: rationale for targeting interleukin-17. Br J Dermatol. 2012;167:717-24.
  7. Bissonnette R, Luger T, Thaçi D, et al. Secukinumab demonstrates high sustained efficacy and a favourable safety profile in patients with moderate‐to‐severe psoriasis through 5 years of treatment (SCULPTURE Extension Study). J Eur Acad Dermatol Venerol. 2018;32(9):1507-1514.
  8. Baraliakos X, Braun J, Deodhar A, et al. Long-term efficacy and safety of secukinumab 150 mg in ankylosing spondylitis: 5-year results from the phase III MEASURE 1 extension study. RMD Open. 2019;5:e001005. 
  9. Data on file. COSENTYX Access. Novartis Pharmaceuticals Corp; October 2020.
  10. National Psoriasis Foundation. The impact of psoriasis. Available from: https://www.psoriasis.org/psoriasis-statistics/. Accessed: May 26, 2021.
  11. National Psoriasis Foundation. Psoriatic disease: about psoriasis. Available at: www.psoriasis.org/about-psoriasis. Last accessed January 2018.
 

<参考資料> 
コセンティクス®皮下注150mgシリンジ、コセンティクス®皮下注75mgシリンジ、 コセンティクス®皮下注150mgペンの製品概要 

製品名(下線部は今回追加承認された剤形): 
「コセンティクス®皮下注150mgシリンジ」(Cosentyx® for s.c. injection 150mg syringe)
「コセンティクス®皮下注75mgシリンジ」(Cosentyx® for s.c. injection 75mg syringe) 
「コセンティクス®皮下注150mgペン」(Cosentyx® for s.c. injection 150mg pen) 

一般名:
セクキヌマブ(遺伝子組換え)〔Secukinumab (Genetical Recombination)〕 

効能又は効果*
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎

用法及び用量*
<尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬>
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。

承認取得日:
2021年9月27日

発売日:
2022年2月7日

薬価:
40,144円

製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社

*効能又は効果に関連する注意並びに用法及び用量に関連する注意は、添付文書をご覧下さい。

ノバルティス ファーマ、国内唯一の小児乾癬治療のための生物学的製剤「コセンティクス®75mg皮下注シリンジ」(新剤形)を発売(PDF 330KB)