プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:レオ・ リー)は、「新型コロナ禍における花粉症の意識・実態調査」と題し、20~40代の男女614人を対象にアンケート調査を行いました。Withコロナの考え方が浸透する中、「くしゃみ」や「鼻水」などが表れる花粉症を抱えての外出への意識について調べたものです。調査結果からは、新型コロナ禍でも徐々に外出への意欲が高まる一方で、花粉症の症状が出ることで周囲の人から新型コロナウイルスの感染を疑われたり、警戒されたりすることに不安を感じる花粉症患者の現状が明らかになりました。
〔調査期間:2021年12月21日(火)~12月22日(水)〕
回答者の花粉症状況
- 花粉症と自覚する人が54.9%で、そのうち85.2%が1~4月の期間に症状が出る
- 花粉症自覚者のうち症状がひどい重症花粉症に該当する人が84.0%
花粉症の諸症状に対する意識
- 新型コロナウイルス感染症の流行によって「くしゃみ」が出たときに周囲の目が 気になる度合が増した人が82.8%、「鼻汁(鼻水)」は75.4%
- 人の「くしゃみ」が気になる度合が増した人が66.9%、「鼻汁(鼻水)」は59.0%
外出状況の実態と今シーズンの外出意識
- 新型コロナ禍で花粉症の症状が出ると外出しにくくなる人が61.4%
- 前回花粉症シーズンに外出が新型コロナ禍前より減った花粉症自覚者が32.9%
- 花粉症自覚者で「外食」が減った人が67.7%、「旅行」が減った人が67.1%、「ショッピング」が減った人が56.4%、「帰省」が減った人が50.4%
外出意欲と花粉症
- 今シーズンは前回と比べて外出意欲が高まっている人が29.2%
- 今シーズンしたいことは、1位「旅行」47.6%、2位「ショッピング」44.0%、3位 「外食、グルメ、食べ歩き」40.4%
- 今後Go toトラベルが再開されたら旅行に行きたいと思う人は60.4%
- 外出において症状が出ることに対する不安がある人が42.7%。理由は「くしゃみ をした際に新型コロナウイルスの感染を警戒する周囲の目」が66.0%
- 花粉症シーズンにマスクが鼻水で汚れて不快になることがある人が72.1%
- 花粉症の治療に前年より力を入れたいと思っている人は10.7%
<詳細>
※パーセンテージの数字は小数点第二位以下を四捨五入しております。『「かなり少なかった」と「少なかった」などを合わせて』など二つ以上の回答を合わせた数字を表記する場合には当該数字で改めて割合を算出し四捨五入しているため、数字に差異が生じる場合がございます。
花粉症の状況
最初に現在の花粉症の罹患状況について調べています。
■花粉症と自覚する人が54.9%で、そのうち85.2%が1~4月の期間に症状が出る 花粉症の罹患状況を見ると、「花粉症と病院で診断された」が27.4%、「花粉症だと思うが診断はされていない」が27.5%で、合わせると花粉症と自覚する人が54.9%を占めます。 そのうち、「毎年1~4月の期間に症状が出る」という人が50.1%、「たいてい1~4月の期間に症状が出る」という人が35.0%と、計85.2%の人がこの1~4月に症状が出るという実態が明らかになりました。
■花粉症自覚者のうち症状がひどい重症花粉症に該当する可能性がある人が84.0% 鼻アレルギー診療ガイドラインによると、花粉症は、「くしゃみ」や「鼻みず(鼻汁)」、「鼻づまり(鼻閉)」の頻度や強さによって、重症度が分けられます。この重症度分類にしたがって症状の頻度や強さを調査したところ、花粉症を自覚する人のうち重症花粉症に該当する可能性がある人が84.0%に達しました。
新型コロナウイルス感染症流行下における花粉症の諸症状に対する意識
次に、新型コロナウイルス感染症の流行後、花粉症の諸症状に対してどのような印象や意識を持っているかを調べました。
■新型コロナウイルス感染症の流行によって「くしゃみ」が出たときに周囲の目が気になる度合が増した人が82.8%、「鼻汁(鼻水)」は75.4% 新型コロナウイルス感染症の流行後、自分が「くしゃみ」をした際に周囲の目が「かなり気になるようになった」が29.4%、「気になるようになった」が33.2%、「やや気になるようになった」が20.2%と、計82.8%が気になる度合が増しています。「鼻汁(鼻水)」についても、「かなり気になるようになった」21.4%、「気になるようになった」32.3%、「やや気になるようになった」21.7%と、周囲の目が気になる度合が増した人が計75.4%でした。
■人の「くしゃみ」が気になる度合が増した人が66.9%、「鼻汁(鼻水)」は59.0% 新生活において、周囲の人の花粉症の各症状が気になる度合が変わったかも聞いています。結果は、「くしゃみ」については、「かなり気になるようになった」20.4%、「気になるようになった」24.9%、「やや気になるようになった」が21.7%となっており、計66.9%でした。鼻汁(鼻水)も、「かなり気になるようになった」11.6%、「気になるようになった」22.1%、「やや気になるようになった」25.2%で、計59.0%を占めます。
外出状況の実態と今シーズンの外出意識
続いて、新型コロナウイルス感染症の流行下で花粉症の症状が出る場合の外出状況について聞いてみました。
■新型コロナ禍で花粉症の症状が出ると外出しにくくなる人が61.4% 新型コロナウイルス感染症が流行する中で花粉症の症状が出ると「非常に外出しにくくなると思う」人が15.1%、「外出しにくくなると思う」人が46.3%となっており、花粉症を自覚する人の61.4%が外出しにくくなると考えていることが明らかになりました。
■前回花粉症シーズンに外出が新型コロナ禍前より減った花粉症自覚者が32.9% 実際の外出の実態を探るため、前回の花粉症シーズン(2021年1月~4月)の外出状況について新型コロナウイルス感染症の流行前との変化を尋ねたところ、花粉症を自覚する人の11.3%が「かなり少なかった」、21.7%が「少なかった」と回答しており、減ったという人が合わせて32.9%いました。
■花粉症自覚者で「外食」が減った人が67.7%、「旅行」が減った人が67.1%、「ショッピング」が減った人が56.4%、「帰省」が減った人が50.4% 花粉症を自覚する人の前回の花粉症シーズンの外出行動については、さらに具体的に聞いています。それによると新型コロナ禍前より、「外食」が「かなり少なかった」26.7%、「少なかった」40.9%で合計67.7%が減っているとの結果でした。その他、「旅行」は「かなり少なかった」40.7%、「少なかった」26.4%で減った人が合計67.1%、「ショッピング」は「かなり少なかった」19.3%、「少なかった」37.1%で合計56.4%、「帰省」は「かなり少なかった」31.2%、「少なかった」19.3%で合計50.4%と、いずれも減った人が過半数を占める結果になっています。
外出意欲と花粉症
最後にこれからの花粉症シーズン(2022年1月~4月)にむけての外出意欲について尋ねてみました。
■今シーズンは前回と比べて外出意欲が高まっている人が29.2% 今シーズンは前回シーズン(2021年1月~4月)に比べて外出したい意識が高まっているという人が全体では「かなり高まっている」9.1%、「高まっている」20.0%の計29.2%という数字でした。花粉症を自覚する人だけで見ても「かなり高まっている」8.6%、「高まっている」21.1%で計29.7%と意欲が高まっている人が同じくらいいます。
■今シーズンしたいことは、1位「旅行」47.6%、2位「ショッピング」44.0%、3位「外食、グルメ、食べ歩き」40.4% 今回の1~4月の花粉症シーズンに何をしたいかについて、全体で最も多かったのは47.6%があげた「旅行」でした。2位は「ショッピング」44.0%、3位「外食、グルメ、食べ歩き」40.4%と続きます。一方、「外出はしたくない」という回答は13.7%にとどまりました。
■今後Go toトラベルが再開されたら旅行に行きたいと思う人は60.4% さらにGo toトラベルが再開されたら旅行に行きたいと思うかという質問に対しては、「そう思う」28.3%、「ややそう思う」32.1%で計60.4%が行きたいとの回答でした。花粉症を自覚する人では「そう思う」31.8%、「ややそう思う」32.6%で計64.4%という数字です。
■外出において症状が出ることに対する不安がある人が42.7%。理由は「くしゃみをした際に新型コロナウイルスの感染を警戒する周囲の目」が66.0% 外出意欲が高まる中、外出時に花粉症の症状が出ることに対する不安を感じる人もいます。今回の調査では花粉症を自覚する人のうち「かなり不安」が8.9%、「不安」が33.8%で、計42.7%が不安を感じていました。 不安を感じる理由で最も多かったのは66.0%があげた「くしゃみをした際に新型コロナウイルスの感染を警戒する周囲の目」でした。2番目に多かったのは「マスクの中でくしゃみをしてマスクが汚れること」で52.8%があげています。
■花粉症シーズンにマスクが鼻水で汚れて不快になることがある人が72.1% 新型コロナ禍で外出時のマスクは必須となっていますが、花粉症を自覚する人のうち、花粉症シーズンにマスクをしているときに鼻水でマスクが汚れて不快になることが「よくある」人が23.7%、「たまにある」人が48.4%いました。計72.1%がマスクが汚れて不快になることがあるとの結果です。
■花粉症の治療に前年より力を入れたいと思っている人は10.7% 昨シーズンに比べて外出意欲が高まる中、花粉症の治療に対する姿勢に変化があるかも気になるところです。今回の調査では、「前年より治療に力を入れたい」との回答が10.7%にとどまり、「特に変わらない」が87.5%を占めました。同じ質問を前回調査(2020年12月実施、N=339)でも行っておりましたが、そのときは、「前年より治療に力を入れたい」と答えた人は23.9%で、「特に変わらない」が72.6%でしたので、昨年に比べても治療に力を入れたいという人が減っています。
日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野 教授 大久保公裕先生のコメント
昨年、2021年の冬から春にかけて、本格的な新型コロナ禍で迎えるスギ花粉のシーズンで、花粉症患者さんは、例年と違った日々を過ごしたものと思います。ちょうど感染の第3波、第4波が立て続けにやってきたときでもありましたから、外出を控えた方も多かったのではないでしょうか。調査でも3割の人が外出が減ったと答えていますし、さらに外食や旅行など具体的なところでは6割もの人が減ったと回答しています。外出を控えれば花粉に曝露する機会も減りますから、昨年は意外と花粉症に悩まされた人も少なかったかもしれません。当院の患者さんの来院状況を見てもそのような印象でした。
その後、ワクチン接種も進み、秋ごろには感染者数が大きく減少するなどで、日本全体の新型コロナウイルスに対する意識も変わってきました。Withコロナの考え方も浸透し、調査結果から見ても外出への意欲は高まっているといえます。1月に入ってオミクロンによる第6波が来ており、どう影響するか予断の許さないところではありますが、軽症の方が多いため、外出する人が昨年より増えているのではないでしょうか。
今回の花粉症の調査では「くしゃみ」をしたときに周囲の目が気になる人が8割を越えますし、症状が出ると新型コロナ禍では外出しにくくなるという人も6割を占めました。実際、流行が始まって2年、エアロゾルが重大な感染経路の一つであることがわかってきましたが、花粉症による「くしゃみ」はそのリスクを高めます。このように花粉症と新型コロナウイルス感染症は相性がよくありません。エアロゾル感染を防ぐためには換気が必要ですが、換気をすれば花粉が入りこんできて花粉の症状が出やすくなり、無症状感染などしている場合にはウイルスを空気中により多く発散してしまう恐れがあるからです。特にオミクロン株は喉のウイルス量が多く、感染力が強いといわれていますので、そのリスクは高まる可能性があります。
とはいえ外出を控えるのも難しいところに来ていると思います。このため、できるだけ症状が出ないように対策をするのが良いと思います。この点、昨年より治療に力を入れたいという人が1割と非常に少ないのは気になるところです。前述のように昨年は外出控えなどで花粉症の症状に悩まされることが少なかったことが影響しているのかもしれません。調査では重症花粉症に該当する可能性がある人が非常に多かったですが、その場合に外出を増やすと途端に症状が出てくることもありますので、しっかりとした対処が必要です。重症度が高い患者さんの症状を抑えるための治療もありますので、重症度に応じた治療法を選択し、今年はしっかりと症状の発現を抑えましょう。そうすればコロナ感染症への安全も高まりますし、外出ももっと楽しめるはずです。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約11万人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。ノバルティスに関する詳細はホームページをご覧ください。
以上
-新型コロナ禍における花粉症と外出への意識・実態調査- 新型コロナ禍で花粉症の症状が出ると外出しにくくなる人が6割 くしゃみに対する周囲の目が気になる度合が増した人が8割(PDF 292KB)