プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:レオ・リー、本社:東京都港区)は、効能追加の公知申請*を行っていた「フェマーラ®錠2.5mg」(一般名:レトロゾール、以下「フェマーラ」)について、本日、「生殖補助医療における調節卵巣刺激」の効能又は効果の追加承認を取得しました。
2020年5月29日に閣議決定された少子化社会対策大綱において、不妊治療に関わる経済的負担軽減のため、適応症と効果が明らかな治療に対して保険適用を検討する方針が打ち出され1、同年12月の社会保障審議会医療保険部会において不妊治療に標準的に用いられる医薬品については保険適用することが結論づけられました。また、一般社団法人日本生殖医学会による生殖医療ガイドラインにおいて、レトロゾールは不妊治療に対する生殖補助医療の卵巣刺激法として推奨されており2、同学会より「生殖補助医療における調節卵巣刺激」に対する要望書が提出されました。
2021年8月にノバルティスは、「フェマーラ」の効能追加の公知申請を行いました。「フェマーラ」は、閉経後乳癌に対する治療薬として2006年より国内において使用されています。今回の効能又は効果の追加承認は、生殖医療ガイドラインの作成に関わる公的な研究事業で得られた調査結果、ならびに国内外の診療ガイドライン、公表文献等3,4に基づいています。現時点では、本剤の「生殖補助医療における調節卵巣刺激」については、保険適用の対象ではありません。
*公知申請:医薬品(効能追加など)の承認申請において、当該医薬品の有効性や安全性が医学的に公知であるとして、臨床試験の全部または一部を新たに実施することなく承認申請を行うことが出来る制度
フェマーラについて
レトロゾールはアロマテーゼの活性を競合的に阻害することにより、アンドロゲンからのエストロゲン生成を阻害し、乳癌の増殖を抑制します。閉経前の女性では、エストロゲン生成阻害の結果、FSH(卵胞刺激ホルモン)分泌が誘導され、卵巣内においてアンドロゲンが蓄積します。FSHおよびアンドロゲンの作用により卵巣が刺激され卵胞発育が促進されます5。本邦では、2006年1月に閉経後乳癌を効能又は効果として承認されました。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約11万人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp/
以上
参考文献
- 内閣府(2020)少子化社会対策大綱
- 日本生殖医学会 (2021) 生殖医療ガイドライン; 東京:杏林舍
- Kamath MS, Maheshwari A, Bhattacharya S, et al. (2017) Oral medications including clomiphene citrate or aromatase inhibitors with gonadotropins for controlled ovarian stimulation in women undergoing in vitro fertilisation. Cochrane Database Syst Rev; 11(11):CD008528.
- Tatsumi T, Jwa SC, Kuwahara A, et al. (2017) No increased risk of major congenital anomalies or adverse pregnancy or neonatal outcomes following letrozole use in assisted reproductive technology. Hum Reprod; 32(1):125-32.
- Kar S.:J. Hum. Reprod. Sci. 2013; 6(2):93-98
<参考資料> フェマーラ®錠2.5mgの製品概要
製品名:
「フェマーラ®錠2.5mg」(Femara® Tablets 2.5mg)
一般名:
レトロゾール
効能又は効果*(下線部は今回追加承認された効能又は効果):
閉経後乳癌
生殖補助医療における調節卵巣刺激
用法及び用量*(下線部は今回追加承認された効能又は効果):
[閉経後乳癌]通常、成人にはレトロゾールとして1日1回2.5mgを経口投与する。
[生殖補助医療における調節卵巣刺激]通常、成人にはレトロゾールとして1日1回2.5 mgを月経周期3日目から5日間経口投与する。十分な効果が得られない場合は、次周期以降の1回投与量を5mgに増量できる。
承認取得日: 2022年2月25日
製造販売: ノバルティス ファーマ株式会社
*効能又は効果ならびに用法及び用量の詳細については添付文書をご覧ください。
ノバルティスのフェマーラ®錠2.5mgが生殖補助医療における調節卵巣刺激の効能又は効果の追加承認を取得(PDF 281KB)