プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2022年6月23日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。本適応症は日本では未承認です。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
- BRAF/MEK阻害分野で世界をリードする分子標的療法となっている「タフィンラー®」「メキニスト®」併用療法は、BRAF V600E変異を有する成人および小児の固形腫瘍患者への臓器横断的(tumor-agnostic)な効能として初の承認取得、かつ唯一の治療法1,2
- BRAF V600E変異陽性固形腫瘍患者を対象に、最大80%の奏効率を示した第II相ROAR試験およびNCI-MATCH試験の結果を根拠とし承認
- BRAF変異は甲状腺がんや脳腫瘍、婦人科がんなど、 20種類を超える腫瘍において腫瘍の増殖を促進3,4
2022年6月23日、スイス・バーゼル発―ノバルティスは本日、BRAF V600E変異を有する切除不能または転移性の固形腫瘍で、前治療後に進行がみられ、他に治療選択肢がない成人患者と6歳以上の小児患者の治療として、米国食品医薬品局(FDA)から「タフィンラー®」(一般名称:ダブラフェニブ、以下「タフィンラー」)と「メキニスト®」(一般名称:トラメチニブ、以下「メキニスト」)の併用療法について迅速承認を取得したことを発表しました1,2。「迅速承認プログラム」に従い、この適応の承認継続には今後、検証的試験における臨床的有益性の検証および説明が条件となります。「タフィンラー」「メキニスト」併用療法は、20種類を超える腫瘍の増殖を促進するBRAF V600E変異を有する固形腫瘍への臓器横断的(tumor-agnostic)な効能として初めて承認された唯一のBRAF/MEK阻害薬であり、小児患者への使用については、承認された唯一のBRAF/MEK阻害薬です1,2。
米テキサス州ヒューストン、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのDivision of Cancer MedicineでInvestigational Cancer Therapeutics部門の准教授とClinical Center for Targeted Therapyのセンターメディカルディレクターを務める治験責任医師、Vivek Subbiah氏(M.D.)は次のように述べています。「ダブラフェニブとトラメチニブの併用により、他に治療選択肢がない希少がん患者を含め、多くの種類のBRAF変異陽性腫瘍に意味ある有効性が示されました。治療にあたる医師は、多くの固形腫瘍の患者に対して新たな治療選択肢を届けるために、標準的な診断ステップとしてBRAF検査を考慮すべきだと思います。」
FDA承認は3つの臨床試験で示された臨床的有効性および安全性に基づくものです。第II相ROAR(Rare Oncology Agnostic Research)バスケット試験およびNCI-MATCH Subprotocol H試験では、「タフィンラー」「メキニスト」併用療法により、高悪性度と低悪性度の神経膠腫、胆道がん、特定の婦人科がんと消化器がんなど、BRAF V600E変異陽性固形腫瘍の患者に対して最大80%の奏効率が得られました。追加試験(X2101試験)では、小児患者を対象に「タフィンラー」「メキニスト」併用療法の臨床的有益性と、許容できる安全性プロファイルが示されました1,2。
Novartis Oncology USのExecutive Vice PresidentであるReshema Kemps-Polancoは次のように述べています。「がんへの取り組みは複雑なものです。だからこそ、がん治療のさらなる進歩や新しいアプローチを追求する上で、科学に基づくことが極めて重要なのです。私たちは患者さんに、そしてがんとともに生きる多くの人々のために何が出来るか模索する中で、今回の承認を実現するべく協働してきた多くの人とチームに感謝しています。」
以上の試験で確認された「タフィンラー」「メキニスト」併用療法の安全性プロファイルは、これまでに承認された効能において確認されている安全性プロファイルに一致します。
BRAF変異陽性の固形腫瘍は、第III相臨床試験を実施することが困難であり、かつ治療選択肢が限られている希少ながん種を含め、様々な固形腫瘍のがん増殖の促進因子とされています3,4。BRAF V600Eは最もよくみられる種類のBRAF変異であり、BRAF変異がんの最大90%を占めます3。
「タフィンラー」「メキニスト」併用療法の詳細な処方情報がウェブサイトhttps://www.novartis.us/sites/www.novartis.us/files/tafinlar.pdfおよびhttps://www.novartis.us/sites/www.novartis.us/files/mekinist.pdfに掲載されています。
「タフィンラー」「メキニスト」併用療法について
BRAF/MEK阻害研究における世界的な分子標的療法の先駆的治療薬として患者さんに届けられた「タフィンラー」「メキニスト」併用療法は、様々な種類のがんの増殖に関与するBRAFおよびMEKキナーゼに関連するシグナルを阻害して腫瘍の増殖を抑制する可能性があります1-5。「タフィンラー」「メキニスト」併用療法は、実施中および完了した20以上の試験で6,000例以上のBRAF変異陽性患者を対象に検討され、世界中で20万例以上の患者に処方されています5。
「タフィンラー」「メキニスト」併用療法はそのほか、BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫、BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 、BRAF V600変異陽性甲状腺未分化癌への使用*が承認されています1,2。なお、「タフィンラー」「メキニスト」併用療法は大腸がん患者の治療や野生型BRAF固形腫瘍患者の治療には適応となりません。
* BRAF V600変異陽性甲状腺未分化癌への使用については日本では未承認です。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。
なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は140カ国以上におよびます。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.com
以上
参考文献
- Tafinlar [prescribing information]. East Hanover, NJ: Novartis Pharmaceuticals Corp; 2022.
- Mekinist [prescribing information]. East Hanover, NJ: Novartis Pharmaceuticals Corp; 2022.
- Turski ML, et al. Mol Cancer Ther. 2016;15:533-547.
- Pratilas C, et al. Curr Top Microbiol Immunol. 2012;355:82-98.
- Novartis data on file.
ノバルティスの「タフィンラー®」「メキニスト®」併用療法がBRAF V600E変異陽性固形腫瘍に対する初の臓器横断的効能としてFDA承認を取得(PDF 303KB)