May 17, 2023

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:レオ・リー、以下ノバルティス ファーマ)は「世界高血圧デー」である本日5月17日より、高血圧がもたらす健康リスクの理解を促進し、日常的な血圧測定の意義および健常人の正常血圧値(診療室血圧120/80mmHg未満)を啓発する活動として、「自分の血圧知ってますか?―Under120キャンペーン」を開始いたします。

第1弾は社内キャンペーンとして開始し、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」で定める収縮期血圧として「正常血圧(診察室血圧120mmHg未満、家庭血圧115mmHg未満)」に該当する「120mmHg未満」1の認知向上と、「高血圧管理の認識4ステージ」1 の全社における周知を進めます。具体的には、社員が出社時に自身の血圧を日常的に測定する場所を提供することで習慣化につなげ、正常血圧値の社員はその維持を、正常血圧を超えている社員は自身の血圧のステージを認識することを促します。また、産業医らと連携し本キャンペーンを展開することで、社員の健康の維持・増進や疾病の予防・治療をサポートしていきます。キャンペーンの様子は、ノバルティス ファーマの公式Facebookで公表していくほか、社員によるハッシュタグ「#Under120」を用いた投稿を通じて、一般の方々にも日常的な血圧測定の意義や重要性を発信していく予定です。

 

診察室血圧

家庭血圧

分類

収縮期血圧

拡張期血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

正常血圧

<120かつ<80 <115かつ<75

正常高値血圧

120-129かつ<80 115-124かつ<75

高値血圧

130-139かつ/または<80-89 125-134かつ/または75-84

Ⅰ度高血圧

140-159かつ/また<90-99 135-144かつ/または85-89

Ⅱ度高血圧

160-179かつ/または<100-109 145-159かつ/または90-99

Ⅲ度高血圧

≧180かつ/または≧110 ≧160かつ/または≧100

(孤立性)収縮期高血圧

≧140かつ<90 ≧135かつ<85
 

高血圧症について

高血圧症とは、血圧値が正常より高い状態が慢性的に継続している病態であり、高齢者における有病率は高く、今後の高齢化に伴って患者数が増加すると予測されています1,2。高血圧状態の持続、特に120/80mmHgを超えて血圧が高くなるほど、脳心血管病、慢性腎臓病などの罹患リスクおよび死亡リスクは高くなるため、血圧を適切なレベルにコントロールすることが重要です。高血圧症の治療には生活習慣の修正を含む非薬物治療と薬物治療がありますが、多くの場合、降圧目標を達成するために降圧薬による薬物治療が必要となります。

日本における高血圧の現状と課題

高血圧の国内推定患者数は4,300万人と言われており、そのうち3,100万人は生活習慣改善や治療開始もしくは強化が必要とされています1。現在、日本では作用機序の異なる複数の降圧薬が使用可能ですが、実際に降圧薬服用患者さんのうち血圧140/90 mmHg未満の割合は50%未満1、降圧目標130/80 mmHg未満の割合は2割程に留まるとされています5。またこの超高齢化社会下で健康寿命の延伸が求められる中、血圧の適切管理は多くの二次疾患予防に非常に重要であるにもかかわらず、国民の血圧管理の意識は低いのが現状です。事実、高血圧患者さんのうち、33%に相当する1,400万人の方は自分が高血圧であることを認識していない状態にあると報告されています4

prkk20230517

「高血圧管理の認識4ステージ」

日本血圧圧学会による「高血圧治療ガイドライン2019」は、高血圧管理の認識に関して4ステージを設けており1,2,3,4、その内訳は▽ Unaware33%=アンアウェア(未治療・認知なし:高血圧に気が付いていない)、▽Aware11%=アウェア(未治療・認知あり:気が付いているが治療を受けていない)、▽Uncontrolled29%=アンコントロール(治療中・コントロール不良:治療を受けていたり生活改善等に取り組んでいるが正常血圧値に到達していない)、▽Controlled27%=コントロール(治療中・コントロール良好:治療を受けていて正常血圧値に到達している(コントロール良好)、―――によって構成されています。すべての高血圧患者さんが適切な治療によりコントロールされた状態を目指していくことが重要であり、そのための啓発が必要です。

ノバルティス ファーマ代表取締役社長のレオ・リーは、次のように述べています。
「循環器系疾患の予防と治療をリードするグローバル製薬企業として、ノバルティスは高血圧問題に取り組み、日本社会全体の健康維持と増進に寄与していきたいと考えます。高血圧の放置は様々なリスクにつながりますが、初期の自覚症状はなく、国内では1,400万人1におよぶ方々が、ご自身が高血圧である自覚症状がないと言われています。
今回、LINE公式アカウントDr. 高血圧@LINEヘルスケア*の血圧測定も用いて、全社で開始する血圧測定キャンペーンが、血圧管理への認知を上げ、やがて社会全体にわたる意義ある取り組みに発展することを期待しています。」

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 理事長、佐賀大学 医学部内科学講座 主任教授の野出孝一先生は高血圧啓発の取り組みについて以下のように述べられています。
「高血圧(140/90mmHg以上)は、日本人の三大死因のうちの二大疾患である脳卒中や心臓病など、生命に関わる病気を引き起こす最も主要な原因となっています。しかし、高血圧はサイレント・キラーと呼ばれるように、自覚症状がないために、高血圧患者のうち実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人といわれています6。今回、健常人の正常血圧値の認知向上を目的に、ノバルティス ファーマ株式会社の取り組みとして収縮期血圧『120mmHg未満』を旗印に活動する意義は大きく、週1~3回の恒常的血圧測定が社会的に根付くきっかけとなることを期待します。」

ノバルティス ファーマは、今後も適切な血圧管理を社会に普及していくことで、血圧に起因する疾患の予防・早期発見・早期治療を促進し、日本社会の健康増進に貢献していきます。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬の未来を描いています。ノバルティスは世界で約10万3千人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。ノバルティスに関する詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp

*LINEヘルスケア株式会社について

LINEヘルスケア株式会社は、オンライン医療事業の展開を目的として2019年1月に設立いたしました。2022年12月時点で国内月間利用者数9,400万人いる「LINE」アプリのユーザーベースを活用し、オンラインとオフラインを融合したNo.1ヘルスケアプラットフォームづくりに注力しています。オンライン診療事業や、啓発コンテンツや治療サポート機能を提供する疾患啓発事業を展開しております。
https://linehealthcarecorp.com/ja

以上

参考文献

  1. 高血圧治療ガイドライン2019 (JSH2019).
  2. 2016年 厚生労働省2016年国民・栄養調査.
  3. 平成29年推計人口.
  4. NIPPON DATA2010.
  5. Asayama K, Kinoshita Y, Watanabe S, et al. Hypertens; 37 (3):652-653, 2019.
  6. 「高血圧の日」について|日本高血圧学:一般の方 (jpnsh.jp)  .

ノバルティス「自分の血圧知ってますか?―Under120キャンペーン」を開始 ~健常人の「正常血圧値」や「高血圧管理」の周知に向けて~(PDF 343KB)