医療の未来を描く女性たち: Cyndy Grosskreutzさん

医師であり科学者でもあるシンディ・グロスクロイツ氏が語る学術の世界から産業界に転身した理由。

Sep 06, 2019
シンディ・グロスクロイツ 眼科研究グローバルヘッド

医師であり科学者でもあるシンディ・グロスクロイツ氏は、学術界から転じてノバルティスに入社し、眼科研究のグローバルヘッドを務めています。今号の「ノバルティス提供:医療の未来を描く女性たち」で、その理由を語りました。

あなたのキャリアを通して、なぜリーダーを志したのですか。

私は「どうしたらより大きな貢献ができるのか」を常に考えています。眼科医としては、1回につき患者さん一人に貢献できます。診療室で患者さんを治療し、投薬以上のことを必要とする患者さんには手術もしてきました。そのような中で私を研究の世界に向かわせたのは、一人の患者さんだけでなく、より多くの患者さんを助けたいという思いです。この思いが、率先して行動する原動力の源となっています。一個人よりも多くの人々が参加するほうがより大きく貢献できます。ですから、それまで取り組んできたトランスレーショナル医療においても、現在責任者として担当している疾病分野においても、私が仲間の先頭に立つことで沢山のことが成し遂げられると考えています。優秀な人々を雇い、資金や設備面を整えて働きやすい環境を提供することで必ず良い結果が得られるものだと信じています。

好奇心を持つ。あきらめない。自分を変える。

シンディ・グロスクロイツ 眼科研究グローバルヘッド

キャリアにおける転機はいつでしたか?

ノバルティスに入社するために学術界を離れたのが転機でした。それまで診療医としても研究者としても忙しい日々を送り、研究資金の獲得にも成功し、ある意味で自分の計画通りに物事が進んでいたのですが、ある時、学術研究者としての研究内容が、患者さんに役立つ技術として活かされる可能性は恐らくないのではないかと気づいたのです。人々の役に立ちたいといつも思って来たはずなのに、一人の研究者の力では難しいことが分かり、最初は落ち込みました。そして、他のことをやりたいと思ったのです。それが転機でした。つまり、自分のキャリアにおいて、進んでいた道がやろうと思っていた事ではないと気づいた分岐点でした。結局、そう考えたことで本当の道に巡り合うチャンスを得たのです。

個人として、または組織として、どうしたら持続的にイノベーションを生み出し成功を収めることができるのでしょうか?

長い目で見た時に、多様性を確保することによって生産性が向上し、より優れた意思決定ができるようになると確信しています。多様性を確保するとは、自分たちとは違う人々を探し出し、受け容れ、成長させるということです。彼らの仕事のやり方は私たちとは違いますから苦労することもあるでしょう。しかしそれはより良いチームを作るための授業料のようなものではないでしょうか。チームのメンバーが私のやり方で仕事をしてくれず困ることもありますし、それを見て見ぬふりするのも難しいものです。そんな時、あなたは仕事をきちんと済ませるために介入して自ら片づけてしまうでしょうか。それとも、「きちんとした仕事」というのは実は自分のやり方に合わせたという意味に過ぎず、もっとイノベーションとインパクトに満ちたやり方があるかもしれないと気づくでしょうか。