工学部からエンジニアへの道よりも 幅広い職種を経験できる製薬会社を選択
野秋秀夫
ジェネラルメディスン営業本部 関東・信越営業部 呼吸器信越ブロック
ノバルティス ファーマの営業部門は、いくつかの疾患領域に分かれています。私は呼吸器領域を担当しており、新潟県・長野県を管轄する信越ブロックのブロックマネージャーを務めています。
大学では機械工学を専攻しており、同窓生の過半数が修士号を取得してエンジニアになるような環境でしたが、私はエンジニアとして専門分野を極めるよりも、幅広い職務領域を経験できる業界に飛び込んでみたいと強く思うようになり、進学ではなく企業への就職を考えるようになりました。
業界研究、職種研究をする中で、大学時代にライフサインエンスの分野にも興味があったこと、近しい先輩がMRとして活躍していたこと、顧客と触れ合う営業職からはじめたほうがキャリアの選択肢を広げやすいというアドバイスを受けたことなどから、製薬会社のMRを目指すことに決めました。第1志望は、当時業界内で一番勢いのあったノバルティスです。
そして、2005年に入社し、希望通りにMRとしてキャリアをスタート。6年間みっちり、製薬業界と営業のイロハを学びました。
その後、本社の営業企画に異動して営業部門のサポート・推進。続いて新製品企画&ローンチエクセレンスに異動して、開発品の市場評価、新製品の上市準備の担当を務め、1年半前(2020年)に営業部に復帰して今に至ります。
MRから始まって企画、マーケティング、そして現在のピープルマネジメントと、16年間でさまざまな職種を経験できたのは、チャレンジを奨励するノバルティスの社風と私の希望がうまくマッチした結果だと思っています。
自ら考えて行動し、その結果得た成功体験は 何物にも代えがたい
ICU(Inspired, Curious, Unbossed)の3つは、ノバルティスの全社員が共有し、ことあるごとに立ち返るべき価値観だと思います。
社員は1人ひとり違った考え方を持っています。その違いは「強み」や「こだわり」につながりますので必要不可欠ですし、全員が同じではないことが大事だと思います。それでも、組織としてやっていく中では、共通して持つべき軸が必要です。
チームをマネジメントする立場になって、その軸がICUなのだと一層思えるようになりました。 ICUの中で、私が最も根幹になると考えているのがUnbossed(主体性を持って自ら動く)です。
Unbossedは自分なりに、「自律」や「オーナーシップ(主体的に取り組む姿勢)」と解釈しています。 自分で考えて実行し、ときには人を巻き込んで狙った通りの成果を生み出せたときの充実感は、何物にも代えがたいものです。 現在はマネジメントをする立場にいるので、ブロックのメンバーが同じような充実感を感じることができるように、鼓舞し、サポートをする側になりました。 メンバーには常々、「ノバルティスの中で、誰よりも担当地域について知っているのは、担当MRである君たちなんだ」と話しています。つまり、顧客が何を求めているかという答えを導き出せるのは、本人しかいないのです。 その答えをメンバーが導き出すためのサポートとして、私は会議やメンバーとの面談、顧客訪問の同行をしています。その際に彼らと話し、論点や思考の棚卸しをしてあげることに全力で取り組んでいます。
また、「トライ」という言葉もよく使います。私はもともと保守的なタイプで、挑戦や変革に臨む難しさをよく知っています。だからこそ、自分に言い聞かせる意味も込めて、「トライ」と言っています。ブロックのメンバーがトライした結果、たとえ成果を出せなくても、何かを学んでくれたりすると、とてもやりがいを感じます。
もちろんよい結果が出せて、普段よりワントーン高い声で報告をくれたりすると、さらにうれしいですね
はじめから、すべての医師と何の問題もなく信頼関係を築けるわけではありません。私自身、1人のMRだったときに経験しています。そんな壁にぶち当たったとき、まずは自分なりに対処の方法を考え、粘り強くアクセスし続ける。このような姿勢は、必ず相手に伝わりますし、関係を劇的に変えるきっかけになると思います。
小さな変化や喜びを分かち合って 製品の普及と患者さんの幸せにつなげる
私のブロックマネージャーとしての目標は、ピープルマネジメントの力を養い、その結果、信越ブロックというチームを最高のチームにしていくことです
そのためには、これまでお話してきたようなメンバーとのコミュニケーションを欠かさず、目標を共有し、たとえ小さくても変化が実感できたら、一緒に分かち合うことが最も大切だと思い、実践しています。 小さな変化の分かち合いは、ブロックの垣根を越えて、全社員に向けても行っています。
私たち営業職は、医師や患者さんから比較的近い位置にいます。そのため、「患者さんのスマイルを集めよう」というプロジェクトとして医師から聞いたエピソードを交換し合うことで、メンバー同士、あるいはブロック間で刺激し合う試みを営業部全メンバーで展開しました。特に印象的な事例は、MR本人、もしくは上長であるブロックマネージャーが社内のSNSを通じて全社に共有することもあります。
このような活動を積み重ねることで、医師との信頼関係が構築でき、担当製品を広く普及させることができれば、幸せになれる患者さんが増えますし、ビジネスとしても成功したと言えます。 これからもさまざまな職種を経験して成長し、ノバルティスが成長する一端を担っていきたいと思っています。