「これはお母さんの工場で作った薬なんやで」 息子を救った経験が働くパワーの源

Oct 13, 2022

契約社員としての勤務を経て2度目の社員へ
雇用形態に関わらず指針となるICU

本荘知美
篠山工場プロセスユニット部オペレーショングループ

2012年10月、篠山工場に契約社員として入社し、6年ほど勤めたあと、上司からの勧めもあり、正社員になりました。
私は篠山市内に住んでいて、高校卒業後にも篠山工場に正社員として入社していました。妊娠・出産を機に一度退職をしましたが、契約社員として復職。そういう意味で、篠山工場との関わりは長く親しみを感じていましたが、2人の子どもが幼かったこともあり、責任の大きな正社員として働くことに対して、少し不安がありました。しかし、主人の理解や両親の後押しによって、再度正社員として働く決心をしました。
現在は、錠剤をボトルに充填し包装する「ソリッドボトルパッケージライン」の責任者をしています。
正社員や契約社員、派遣社員といった、雇用形態が異なる幅広い世代の社員が働いている工場の中で、ノバルティスのICU(Inspired, Curious, Unbossed)は、よりよい製品を困っている患者さんに届けるために、すべての社員が職位や職種に関わらず、意識して作業をするべき指針だと思っています。
日常生活で聞き慣れていなかった英単語を最初に聞いたとき、「いったい何のことだろう?」という戸惑いはありました。ですが、日々仕事をしている中で、「これって、Inspired(自らを鼓舞し互いを刺激し合う)になるよね」との上司のコメントを聞いたり、「こういうことができれば、Unbossed(主体性を持って自ら動く)につながりそうだね」と同僚と会話をしたりすることで、自然に身についていきました。

曖昧なことをそのままにしない
Inspiredの積み重ねがチームの成長につながる

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生産のチームはラインで仕事をしていますので、コミュニケーションが必要不可欠です。
たとえば、生産活動では「手順書」が大きな役割を果たしていますが、紙に記載できる内容には限界があり、ニュアンスが伝わらないことが多々あります。わからないことや曖昧なことをそのままにせず、その都度チーム内で話し合いを行ったり、それでも解決しないときは上司に確認をとったりすることを心がけています。
また、ソリッドボトルパッケージラインには、年間生産数の少ない薬が何種類かあります。そうすると、次の作業までのスパンが長くなるので、記憶がどうしても曖昧になります。そのようなケースでは、生産する前にチームで集まり、「スタートしてから終わるまで、こういう手順が必要ですよね」と、しっかり手順を共有します。このことで、生産をスムーズに行えるようになりました。これは、過去の失敗経験から考え出されたやり方です。
コミュニケーションを欠かさずに行うと、問題の共有ができますし、チームのメンバーの意見は刺激になり、よりスムーズに安全に作業ができるようになります。
実際に話し合わなくても、ときにはチームのメンバーの仕事ぶりを見て盗む、いい意味での“盗み合い”も大切です。
このような日々のInspiredの積み重ねが、社員1人ひとりと、チーム全体の成長につながると思っています。

自分で考える習慣をつける指導で
より高いレベルのチームを目指す

生産工程では、1日に生産する製品の数が決められています。そのため、私をはじめとした責任者が計画用紙を作成し、毎朝のミーティングでチームのメンバーに仕事を適切に割り振ります。
工程が進めば予期しないことが起きたり、反対に順調に進んだりすることもありますので、臨機応変に対応可能な人員配置をしなければならず、気が抜けません。そのため、その日の計画通りに何事もなく生産が終了すると、とても達成感を感じます。
幸い、私のチームでは、メンバーが主体的に参画し、積極的に提案をしてくれるので、日々の業務において、達成感を得る機会がとても多く、嬉しく思います。
更により高いレベルのチームを目指すべく、チームメンバーに成長の機会を与える工夫もしています。たとえば、機械の操作方法を質問されたときに簡単に答えることはせず、「あなたなら、どうしたらいいと思う?」と一度考えてもらいます。どうしても分からないときは、「じゃあ、この辺りを触ってみようか」とヒントを与えます。そうすると、自分で考える習慣がつき、応用力が身につきます。このような教育は、Inspiredですし、最終的にUnbossedにもつながる手法だと思います。

ノバルティスが送り出す製品は、病気で苦しんでいる患者さんのための薬です。
以前、私の息子が病院で手術を受けたことがありました。痛みで苦しむ息子を救ったのが、ノバルティスが生産している薬でした。薬が患者さんを救うまさにその現場を目の当たりにしたのです。このような実体験は、私が働くモチベーションにもなっています。
わが子に「これはお母さんの工場で作った薬なんやで」と言えたときの、誇らしい気持ちを忘れずに、今後も頑張っていきたいと思っています。