乾癬との付き合い

イギリスのコメディアンのトビー・ハドックさんが語る乾癬との闘い

Oct 29, 2018

「多くのコメディアンは、自分の駄目なところを好んでネタにします」。イギリスのコメディアンであるトビー・ハドックさん(Toby Hadoke)は、先日の夜、ロンドンのウェストエンドにあるコメディ劇場のお客さんにこのように語りかけました。「『自分は乾癬なんです』と言ったら、みんなが『うわっ』ってなるんです」

ハドックさんは、11歳から乾癬を患っています。48歳となった今、乾癬に支配されるのではなく、乾癬をコントロールするためのひとつの方法として、闘病経験をいつものトークの中に織り交ぜます。「乾癬は十分に理解されていない」と言います。「乾癬はそれを患う人の多くにとって、笑い事ではありません」そう続けました。

「この病気は痛いんです。そして刺激を伴うんです。生活や周りの人からの受け止められ方への影響が本当に大きいんです。人々から清潔にしていないのではと思われることもあり、それを隠すために多くの時間を使う人もいます」

乾癬になる人の割合は、成人の場合で50人に1人と言われており、世界で1億2,500万人以上の患者さんがいる、最も一般的な皮膚疾患のひとつです1。表皮細胞が通常の10倍もの速さで増殖することにより、盛り上がった皮膚がうろこ状の紅斑 となり、痛み、不快感、さらには心理的な問題を引き起こすこともある病気です。

乾癬に慣れてしまっていたので、こんなにも自分に影響していることに気がついていませんでした

トビー・ハドックさん、イギリスの俳優・コメディアン

この病気の原因はよく分かっておらず、乾癬の薬は最近まで非常に限られたものしかありませんでした。

これまでの薬はあまり効果がありませんでした。「乾癬は、仕事やデート、生活のあらゆる側面に大きな影響を及ぼします。何を着るかもそうです。よくベージュ色の服を着ているのに気付いている人もいるかもしれませんが、これは皮膚の落屑を目立たなくするためなんです」

ハドックさんは効果的な治療を探し求め、スキンクリームを試したり、食事を変えたり、タバコをやめたり、アルコールの量を減らしたりしました。漢方薬を試したり、鍼治療に通ったことも何度もあります。これらのいずれもが望んだ効果が得られず、症状がひどくなることの繰り返しでした。

「何をやめたら乾癬が治ったとか、あらゆるサクセスストーリーを耳にしてきました。洗濯用の洗剤とか、話し始めたらきりがないくらいです。あれをやめるとか、これをやめるとかいうのが効果がある人もいます。でも、全員に効果があるわけではないですし、私には効果がありませんでした」

多くの患者にとって、乾癬とともに生きることは、いまだに毎日が格闘であり、限られた治療選択肢しかない状態を受け入れることであり、そして乾癬による不快さや不便を我慢することです。

「多くの人は、医師からステロイドのクリームを処方されて、それで終わりです」ハドックさんは言います。「本当はこうであるべきではありません。治癒は見込めないと言われると、これを受け入れざるを得なくなります」 。

しかし、最近、新たな治療選択肢が出てきました。

ハドックさんは、自身の病気に対してより高い効果が望める治療法が見つかったことを幸運に感じています。「何年も乾癬に耐えてきました。治療の最先端を行く大きな病院に通うようになり、そこで『解決の力になります』という魔法の言葉を言ってくれる皮膚科医にやっと出会えたのです」

乾癬の大変さ

世界で1億2,500万人以上の人が、皮膚に角質が銀白色に積み重なり、盛り上がった紅斑として現れる慢性自己免疫性疾患である乾癬を患っています。

参考:

  1. International Federation of Psoriasis Associations (IFPA) World Psoriasis Day website. "About Psoriasis."