変化の速い製薬業界では、常に学び続ける姿勢が必要不可欠

Oct 29, 2021

「もっと患者さんの近くで働きたい」という思いでノバルティスへ入社

陸 偉哲 臨床開発 CDD&再審査

昨年の4月に新卒として採用され、在職は2年目です。中国の上海出身で、小さい頃に3年間、京都に住んだ経験があります。祖母が心臓を患っていたこともきっかけとなり、日本の大学に入学して心臓・循環器の研究をはじめ、大学院を卒業するまでの7年間、基礎研究を続けていました。 充実した研究の日々を送りましたが、研究室にいると、患者さんとの距離がとても遠く感じていました。学んできた知識や身につけた能力を駆使して、もっと近い距離感で、困っている患者さんに貢献できる仕事がしたくて、製薬会社への就職を選びました。 その中でもノバルティスは、成長する機会があること、豊富なパイプラインがあること、新薬のイノベーションに積極的なことで、他社と比べてアドバンテージがありました。 また、パソコン1台で世界中の10万人以上の社員とつながるグローバルな雰囲気や、若いCEOのもと共通の目標である「Reimaging Medicine~医療の未来を描く~」に向かって邁進している様子は、入社前に参加したインターンシップでも、身をもって感じることができました。

現在は、臨床開発と市販後調査(PMS)を主に担当しています。社内外のステークホルダーと密にコミュニケーションをとりながら治験全体を、そして上市後はPMSだけではなく、再審査申請をサポートしています。領域でいうと、腎臓、血液内科、神経領域のプロジェクトが進行しています。

常に学び続けて、変化し続ける世界に遅れずについていく

ノバルティスで働いていると、企業のカルチャーであるICU(Inspired, Curious, Unbossed)を常に身近に感じることができます。たとえば、誰もが自分の意見を言える環境では、Inspired(自らを鼓舞し互いを刺激し合う)が浸透していると実感します。次々と発信されるアイデアがぶつかり合って巨大なエネルギーを作りだす様子は、まさに核分裂の連鎖反応のようです。 また、入社2年目にも関わらず腎臓、血液内科、神経領域のプロジェクトを任され、責任を持って主体的に動く必要があります。これは社員1人ひとりがリーダー、Unbossed(主体性を持って自ら動く)の精神です。 特に大切だと思うカルチャーは、Curious(好奇心を持つ)です。人類の長い歴史を振り返っても、Curiousは社会や科学の進歩の原動力になっていることが間違いありません。変化のスピードが特に速い製薬業界では、変化に対応できるイノベーションが必要で、そのためには、常に学び続ける姿勢が不可欠だと考えています。 Curiousは、目の前の業務以外にも関係しています。たとえば、大学・大学院時代に研究していた心臓疾患の研究には、いまでも興味を持っています。幸いノバルティスでは、イントラネットを通じて最新の研究論文にアクセスすることができます。 また、CourseraやLinkedIn Learningのコースを受講できる能力開発プログラムを利用して、AIの勉強もしています。 このような日ごろの学習や情報収集は、進行中のプロジェクトに直接関係はありません。ですが、10年後、20年後に、製薬業界にインパクトを与える可能性は、十分にあると思っています。

患者さんの笑顔のため、10年後には海外へ

現在担当しているのは、日本国内で数百名しか患者さんがいない、希少疾患の新薬の治験です。治療薬がまったくないので、患者さんにとっては“希望のタネ”になります。 一方、治験の開発段階には5つのtoo(too few:症例数が少ない。too narrow:特殊な患者が除外されている。too median-aged:高齢者や小児は除外されている。too simple:投与方法が単純。too brief:投与期間が短い。)という、避けがたい制限があります。そのため、上市後の実臨床で、開発した薬の有効性や安全性のデータを収集・分析して、育薬する必要があります。 「臨床」では薬を待っている患者さんに、「PMS」では薬を使っている患者さんに、それぞれいち早く薬を提供したい気持ちを持ち続けて、全身全霊で仕事にのぞんでいます。 患者さんと直接話をする機会はありませんが、医師との面会を通して、患者さんの声や薬の有効性を示すデータをいただくことがあります。臨床開発のスパンは非常に長いので本当のゴールはまだまだ先ですが、そんなときに味わう“ちょっとだけの達成感”は、何物にも代えがたいと感じています。

10年後には、海外で働くことを目標にしています。製薬業の中心はアメリカやヨーロッパ諸国なのですが、日本や中国をはじめとしたアジアにも大きなポテンシャルがあります。将来は欧米にアジアの声を届けつつ知見を広げ、20年後には日本や中国に戻ってきて、さらにアジア中の患者さんを笑顔にするような新薬開発に貢献できたらいいな、と思っています。 その目標を達成するために、自分に足りない4つの能力を磨く計画を立てました。 1つ目は、5年以内に現ポジションの業務を完全に把握すること。そして、さらに広い視野を身につけて、新薬の臨床開発のすべてを理解できるようにしたいと考えています。 2つ目は語学力。英語力を鍛えるために、フォローアップ研修で英語の模擬会議に参加したり、マンツーマンの英会話のトレーニングを受けたりしています。 3つ目は専門力。自分の専門分野だけではなく、疾患や薬剤の知識をさらに深めたいと思っています。 最後にビジネススキル。まだ2年目ということもあり、最もギャップを感じています。現在はリモートワークが中心のため、相手と対面して話す機会がほとんどないのですが、先輩社員や上司のWEB面談にできるだけ同席して、面談の進め方や話し方、ビジネスマナーや日本語の敬語を勉強しています。 このような目標達成のために、同僚もメンターも上司も、親切に、根気強くアドバイスをしてくれます。たとえば上司との定例のチェックインでは、ノバルティスにはどういった海外でのポジションがあるか、スキルのギャップを埋めるにはどうしたらよいか、などを具体的に教えてくれるので、とてもありがたく思っています。

ファースト・イン・クラスを心待ちにしている患者さん、医療従事者はたくさんいます。以前面談をした医師の「この薬を待っていました」という言葉を聞いたとき、ビッグ・ファーマとしてのノバルティスの責任の大きさを、改めて実感しました。 ノバルティスの開発戦略にのっとって、自分のプロジェクトをスピード感とクオリティを維持して確実にこなし、ICUの実践を忘れずに、日本の医療環境がよりよいものになるように貢献していきたいと思います。

※本記事の内容は取材当時のものです。