ノバルティス ファーマ株式会社(以下:ノバルティス ファーマ)は、有害事象報告遅延に関する調査報告ならびに弊社製品に関連した医師主導臨床研究(以下:IIT)に関する社内調査結果についてお知らせいたします。

有害事象報告遅延


ノバルティス ファーマは、12月16日、厚生労働省に詳細調査の報告書(副作用報告数3,264症例)と製品ごとの影響評価(Medical Impact Analysis)を提出しました。ノバルティス ファーマとしましては、各製品において添付文書内容の変更は必要ないとの結論に達しました。

これはノバルティス ファーマが報告した副作用情報が、ノバルティスのグローバル本社が安全性データベース内に集積している情報との比較において、各製品の安全性プロファイルを変更させるものではなく、添付文書内容の変更を必要とするものではなかったことが確認されたことによります。今後は、厚生労働省がノバルティス ファーマからの副作用情報等をもとに、最終的に添付文書の改訂の必要性について判断される予定です。

現在、ノバルティス ファーマは厚生労働省の定める法令(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全性管理の基準に関する省令第7条第1項)に準拠して安全性情報の収集を行っており、2014年8月に厚生労働省に提出した業務改善計画に沿った徹底的な研修と新たなプロセスの下で事業を遂行しています。

ノバルティス ファーマ製品に関連したIITに関する社内調査


スイスのノバルティス本社はノバルティス ファーマの製品に関連したIITに関する社内調査を終了しました。これは、IITに対する社員の過去の行動をより十分に理解するために、ノバルティス本社が第三者に依頼したもので、2011年以降に実施されたIITに関する社内の記録を調査し、またIITに関与した社員へのインタビューを行ったものです。

その結果、4月のSIGN研究に関する社外調査委員会の報告ならびに5月の4つのIITに関する田辺総合法律事務所からの報告で特定された内容と類似の社員の関与(プロトコール、研究関連書類および論文の作成準備ならびに研究者への支援など)がありました。

なお、調査の中で認められた当局報告が必要な有害事象は、上記有害事象報告遅延に含まれています。

現在、ノバルティス ファーマでは、2014年4月3日に就任した新経営陣の下で、コンプライアンスの強化に向けた包括的な取り組みを実施しており、調査によって明らかになった行動はすべてこれまでに取り組んできた改善すべき事項の対象となっています。その取り組みには、7月24日に発表した新しいグローバルIITガイドラインを導入すること、今後はすべてのプロモーション資料に対して、ノバルティスの新しいIITガイドラインに沿って実施されたIITのみを使うという決定事項が含まれています。

その他、ノバルティス ファーマが取り組んでいる改善事項は以下の通りです。

  1. 外部有識者として問題の再発防止に寄与する助言を与えるコンプライアンス・アドバイザリーボードの設置(2013年11月18日)
  2. ノバルティス行動規範を遵守するための社員に対する研修の強化および継続
  3. スイスのノバルティス本社の審査、倫理、コンプライアンスを厳格に遵守するためコンプライアンス機能の強化

弊社は、製薬会社にとって極めて重要な副作用報告を適正に行っていなかったこと、ならびに医師主導臨床研究に対して不適切な関与があったことにつきまして、改めて深くお詫び申し上げます。今後、患者様はじめ医療関係者の皆様、国民の皆様からの信頼回復により一層努めてまいります。

以上


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