4月3日、ノバルティス ファーマ(スイス)社長 デビッド・エプスタインが記者会見を行いましたので、その内容についてお知らせします。記者会見では、日本におけるノバルティスの医師主導臨床研究に関わる問題の特定と解決に向けた一連の対策を発表しました。

対策の一環として、4月3日付でノバルティス日本法人の新経営陣を任命しました。
ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長にダーク・コッシャ、常務取締役オンコロジー事業本部長にフランシス・ブシャール、ノバルティスホールディング ジャパン株式会社 代表取締役社長にマイケル・フェリスが就任します。

デビッド・エプスタインは「責任を持って法令を順守し、倫理的に事業を遂行できる、経験豊かな新経営陣によって、新たにノバルティス ファーマ株式会社を立て直す必要があります。日本法人の従業員と新しい経営陣が協力し、日本の社会に対する責任を果たすため努力するとともに、継続中の研究開発を通じて、ノバルティスは日本の患者の皆様の生活をよりよくする革新的な医薬品を提供して参ります。」と述べています。

ノバルティスはSIGN研究以外の2011年以降に行われた医師主導臨床研究に対して、第三者による広範囲にわたる調査を2月初旬より実施しております。同調査はSIGN研究に弊社の社員が関与した疑念が生じたことを受けて開始されました。ノバルティスは同調査によって、他の医師主導臨床研究の問題が明らかになる可能性があると考えています。

本調査は本年夏までに完了する予定であり、結果の概要とこれに対するノバルティスの対応について皆様にお知らせする予定です。調査継続中は、日本における医師主導臨床研究に対する支援をすべて一時的に中断いたします。

本日の発表に先立ち、ノバルティス ファーマ株式会社のSIGN研究関与に対する社外調査委員会の調査結果が発表されました。現時点では同報告書の概要を把握した段階ですが、日本法人社員による患者様の個人情報取得の可能性や社員が証拠文書などを破棄した点を非常に重く受け止めております。

エプスタインは「このような行動は受け入れ難いものであり、ノバルティスの倫理基準に反するものです。特に昨年11月の再発防止研修以降に、倫理に反する行動に関与した社員に対して適切な措置を取っていく所存です。」と述べています。

2013年10月、ノバルティスはバルサルタンの医師主導臨床研究に関する問題の対応策として、コンプライアンス・アドバイザリー・ボードの設立、社員および経営陣に対するコンプライアンス必須研修の実施、日本のノバルティス会長職設立を発表しました。こうした対策により一定の効果があった反面、医師主導臨床研究に関する問題が10月以降にもあった事が明らかとなり、より抜本的な対策が必要なことは明白です。

ノバルティス ファーマ株式会社の新代表取締役社長ダーク・コッシャは「ルールに反する行為をすべて停止し、日本で適切な方法で臨床研究を実施、支援することに尽力します。ノバルティス ファーマ株式会社が、医師主導臨床研究の問題是正を通じて得られる経験と知識が、日本における臨床研究実施方法の改善に貢献できることを願っています。」と述べています。


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